しかし、この現象は雌だけに認められるのか、雄でも同様にビタミンCが減少すると骨格筋の筋線維が細くなり、筋重量が減少するのかどうかは分かっていなかったとのことで、今回の研究では、今度はビタミンCを作れない雄のビタミンC合成不全マウスを用いて、血漿や骨格筋のビタミンCが減少すると、筋肉にどのような影響があるのかの調査を行ったとする。

その結果、雌と時と同様に、ビタミンCの不足期間が長くなると腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋、前脛骨筋、長趾伸筋などの筋肉を構成する筋線維が細くなり、筋重量が減少することが確認されたほか、再びビタミンCを与えると回復することも確認されたという。

また、筋力や自発的活動量から評価された身体能力も、ビタミンC不足の期間が長くなるにつれて低下し、こちらもまた再びビタミンCを与えると回復することが確認されたとする。

ただし、筋重量の減少や身体能力の低下については、雌の方が雄に比べて早期に認められたという。

  • 骨格筋でビタミンCが不足すると、性別に関係なく、骨格筋の萎縮や身体能力の低下をもたらす

    骨格筋でビタミンCが不足すると、性別に関係なく、骨格筋の萎縮や身体能力の低下をもたらす。また、ビタミンCの再投与により回復することも確認された (出所:東京都健康長寿医療センター研究所Webサイト)

なお、研究チームによると、今回の研究により、ビタミンC不足は、雌雄の性別に関係なく骨格筋の萎縮や身体能力の低下をもたらすと同時に、ビタミンCの再投与により、性別に関係なく回復できることが示されたことから、今後の筋肉でのビタミンCの機能解明につながることが期待されるとしている。