楽天モバイルは7月6日、公式ブログにおいて、楽天モバイル恵比寿店・京都四条通店の内装の意匠が意匠登録されたことを報告した。電気通信事業用店舗の内装としては、国内では第一号の意匠登録になるという。
意匠登録は、新しく創作された意匠を保護し、利用ルールを定めることにより、意匠の創作の奨励と産業の発達に寄与することを目指した制度。もともとは物品の形状や模様、色彩などを「意匠」として保護してきたが、2020年4月から、建築物や内装のデザインについても意匠として保護されるようになった。楽天モバイルショップ2店舗の内装が意匠登録されたのも、この意匠法の保護対象の拡大を受けてのこととなる。
楽天モバイルショップの店舗デザインは、携帯電話ショップにおけるユーザー体験を一新する狙いで、楽天のロゴデザインも手掛けたクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏の監修のもと、社内外が連携したデザインプロジェクトで生まれた。公式ブログによれば、以下のような点を特徴としているという。
- 店内は「Simple・Digital・Flexible」をコンセプトに設計し、来店客と楽天モバイルショップスタッフとの垣根をなくした開放感のある空間
- 自由な店内回遊を可能にする空間デザイン。各ゾーンを完全分離するのではなく、重なりあった区分にすることで、来店客が滞在するゾーンを決めてしまうのではなく、来店客自身が見たいものや契約したい場所を選べるスタイル
- デジタルを活用してペーパーレス化し、売り場に余計なものを置かないシンプルな空間。自由な店内回遊を可能にするだけではなく、主役である商品を際立たせる効果もある
- 白でまとめた無垢な空間のなかで、ブランドカラーであるマゼンタをサイネージで表現することによって、ブランドのアイデンティティを強く打ち出すような演出
- 来店客やビジネスのニーズによって変化可能な店舗デザイン
意匠登録の審査においては、以下の4点の独自性が認められた。
- 接客に使用するカウンターにより店舗フロアが分断されていない点
- 接客カウンターの対面に大型ディスプレイが複数枚配置されている点
- 接客カウンターの側面壁にアクセサリ陳列ボートが配置されている点
- これらの構成が全体的にまとまり、内装化されている点
意匠登録の出願を担当した同社知的財産部の担当者は、今回の意匠登録について、「当社のデザイナーたちがお客様目線で考えぬき、様々な工夫を凝らして制作しているデザインですので、もちろんその意匠権を守りたい」とその狙いを語り、同時に「内装意匠の制度が始まったばかりで世の中の注目度も高いと思いますので、多くの方々に楽天モバイルショップのこだわりを知ってもらうきっかけになれば嬉しい」としている。