6月22日にティザーが公開され、今日製品ラインナップについて明らかにされたPC向け製品ブランド「INZONE(インゾーン)」。第一弾としてゲーミングディスプレイとヘッドセットの投入が発表され、大きな注目を集めています。
ソニーといえば、ゲーム業界では言わずとしれた家庭用ゲーム機ブランドの大家。展開するPlayStationには独占タイトルの存在もあり、PCゲームとは趣を異にしてきました。そんな同社がPCゲーム向けデバイスに参入する意図について、メディア向けに発表会を実施。内容について紹介します。
PCゲーミング市場は発展途上。大きな参入余地がある
発表会ではまず事業の意図として、麥谷周一氏が登壇しました。同社はこれまでテレビやオーディオ機器の開発・製造・販売で豊富な知見を有しており、これをゲーミング製品へと展開することが可能だと判断。大きく変化した生活様式によって国内ゲーミング市場は成長し続けており、参入の余地があったと話します。
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プロダクトビジネス本部 モバイルエンタテインメントプロダクツビジネス部統括部長 ゲーム事業推進室室長 麥谷周一 氏。ゲーム事業推進室はもともと新規事業推進室だったそう
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PCゲーミング向けブランド「INZONE」発表
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テレビ「ブラビア」の高画質技術や、オーディオ機器開発で培った立体音響技術で“高い没入感と勝利体験”を提供
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新型コロナウイルス感染拡大前と比較し、大きく成長したゲーミングギア市場
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FPS人気も大きくなってきたが、それでも日本ではRPGが人気(ソニー調べ)。ソニーはゲーミングギア市場への新規参入において、最も期待されたブランドだという
「ゲーミングディスプレイもソニーが作ってくれたらいいのにな」なんていう、一昔前まではただの冗談だったことが、ゲーミング市場の大きな成長によって実現したことに改めてビックリ。しかもテーブル上でPlayStation 5を使わせるという意図ではなく、PCとの組み合わせを打ち出してきたことにもっと驚きました。
ディスプレイは27型で4KかフルHD。ヘッドセットは3モデル
続いて、福村祐太郎氏が登壇して製品の詳細について紹介。展開する27型4K/144Hzディスプレイ「INZONE M9」、27型フルHD/240Hzディスプレイ「INZONE M3」に加え、ゲーミングヘッドセット「INZONE H9 / H7 / H3」について説明しました。
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プロダクトビジネス本部 モバイルエンタテインメントプロダクトビジネス部 モバイルエンタテインメントプロダクツMK1課(兼)新規事業推進室 マーケティングプランナー 福村祐太郎氏
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ディスプレイは2モデル(4K/144Hzと、フルHD/240Hz)で、かなり性能が異なります。キャッチコピーもそれぞれ用意
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表示性能はもとより、三脚式のユニークなスタンドや、ブラビア譲りのケーブルマネジメント機構の採用もポイント
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ヘッドセットは1000Xシリーズで定評のある強力なノイズキャンセリング機能や、外音取り込みモードを搭載(H9のみ)
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装着感にもこだわり、長時間のプレイも快適
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PCとの組み合わせはもちろん、PlayStation 5の機能を余すところなく引き出す「Perfect for PlayStation 5」認証も取得
ゲーミングディスプレイのラインナップとして、27型サイズの仕様違いで2モデルを発表しました。解像度やリフレッシュレートの仕様については、もっとも市場で需要がありそうなものを選択したとのこと。フルHD解像度(1,920×1,080ドット)での27型はやや精細感にかける印象ですが、競技性を重視しているものと見られます。
個人的にはWQHD(2,560×1,440ドット)ディスプレイを愛用しているので、4KのM9とフルHDのM3の間に、WQHDでの画面表示に対応する"M5"をぜひ投入してほしいところ。今後の製品展開も検討しているが、現時点で発表できることはないとのことでした。
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「Evo 2022/2023」「PGL DOTA Arlington Major 2022」「VALORANT Champions Tour」にスポンサーシップ契約
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ソニーストア銀座ではイベント参加券つき販売会を実施。カプコンでバイオハザードのプロデューサーを務める川田氏が登場し、トークセッションや手渡しイベントを行う
中でも、ソニーが上記3大会とのスポンサー契約を締結するという発表にはなかなか驚かされました。格ゲーとMOBA、FPSが網羅されており、特にMOBA大会としてPGLが選択されたことにはびっくり。日本より圧倒的にグローバルで人気のある大会なので、ゲーミング事業を日本国内だけではなく、世界にも向けてコミットしていくという強い意思を感じました。
実機を見てきた。作りの良さはさすがのソニー級
ディスプレイとヘッドセットは、会場に展示がありました。それぞれの詳細については初出時のニュース記事「ソニーのゲーミング液晶登場、PS5にも合う4K/144Hz対応機など2機種」「ソニー、立体音響で“没入と勝利に導く”ゲーミングヘッドセット3機種」に詳しいので割愛しますが、さすがに作りの良さはソニーレベル。ディスプレイのスタンドは凝ったデザインで、FPSプレイヤーの変則的なキーボード・マウス配置にも対応するとのことでした。
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ディスプレイ。4辺ともに狭額縁で、右下には「NVIDIA G-SYNC(Compatible)」のシールも
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PC向けブランドだけど、脚はPlayStation 5みたいな意匠
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横から見るとかなり変わったデザインです
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VESAマウントに対応して汎用ディスプレイアームも使用できます
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設定画面はこんな感じ。さすがというか、日本語フォントがめちゃくちゃになっていません
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ヘッドセットもタッチアンドトライ。イヤーパッドはもっちり柔らか
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ハイエンドモデルの「INZONE H9」は、専用のUSBドングルを用いて2.4GHzの低遅延接続をサポートします。本体にはボタンやホイールなど操作部が充実
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ゲーミングデバイスですが、黒ではなく白で推してくるところにソニーらしさを感じます。いちいち高級感があってすごい
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パッケージの様子