MM総研は6月14日、世界34の国・地域におけるiPhoneの販売価格を調査し、その結果を発表した。その結果によれば、今回価格を調査した「iPhone 13 128GB」「iPhone 13 Pro Max 1TB」「iPhone SE 第三世代 64GB」の3機種の日本での販売価格は、2022年6月時点において調査対象とした34か国・地域の中で最安だったという。
この調査は、2022年6月時点での各国のApple Store(オンライン)における販売価格を、6月1日時点の為替レートに基づいて円に換算し、比較したもの。比較しているのはいずれも消費税などの税金を含む価格で、米国はニューヨーク州、カナダはオンタリオ州の税率に基づいて計算している。
調査を行ったの34の国・地域を、「iPhone 13 128GB」の価格が安かった順に並べると次のようになる。
- 日本
- 香港
- タイ
- 韓国
- マレーシア
- 台湾
- 中国
- 米国
- ノルウェー
- ハンガリー
- スイス
- アラブ首長国連邦
- ニュージーランド
- シンガポール
- ドイツ
- オーストリア
- オーストラリア
- フィリピン
- フランス/スペイン/オランダ
- イギリス
- ポーランド
- カナダ
- ポルトガル/フィンランド
- チェコ
- スウェーデン
- イタリア
- デンマーク
- インド
- メキシコ
- トルコ
- ブラジル
「iPhone 13 Pro Max 1TB」「iPhone SE 第三世代 64GB」についても、日本での販売価格が調査対象国・地域の中で最安だったという。
なお、調査では参考として2021年9月時点の為替レートに基づいた価格の比較もおこなっており、それによれば日本国内の販売価格は「iPhone 13 128GB」が安いほうから2番目、「iPhone 13 Pro Max 1TB」が3番目、「iPhone SE 第三世代 64GB」が11番目となるという。もともと日本国内の販売価格は安い部類に入り、このところの為替動向の影響でさらに安値となっているという様子がうかがえる。
総じてアジア圏に低価格の国・地域が多い。Appleが本拠を置く米国も比較的低価格な部類といえ、西欧ユーロ圏は中位に並んでいる。価格がもっとも高かったのはブラジルで、「iPhone 13 128GB」が207,221円、「iPhone 13 Pro Max 1TB」が408,278円、「iPhone SE 第三世代 64GB」が114,504と、日本の2倍~2.1倍の価格となっている。
直近(2021年9月~2022年6月)の為替動向を見ると、今回の調査対象とした国・地域のうち、円に対して値下がりしているのはトルコ(リラ)・ハンガリー(フォリント)のみで、他の国・地域はすべて円に対して値上がりしている。中でもブラジル(レアル)に対しては31%の円安となっており、ブラジルでの販売価格が割高となる要因となっている。
今回調査の対象とした34の国・地域はApple Store(オンライン)で価格が表示されており、購入が可能な国に限っている。Apple Store(オンライン)で購入ができなくとも店舗やECサイトなどでの購入が可能な国は多数あるが、そういった国のひとつである南アフリカ共和国では「iPhone 13 Pro Max 1TB」が309,365円(日本国内価格の158.8%)、ベトナムでは249,144円(同127.9%)、インドネシアでは278,561円(同143%)となっており、今回調査対象としなかった国を含めても日本国内での販売価格は最安水準であると考えられるという。こういった状況から、日本を訪れる海外からの渡航者が日本国内でiPhoneを購入する需要も日本におけるiPhone販売の一定の割合を占めるのではないかと同社では分析している。今後、新型コロナ対策としての渡航制限は緩和に向かうことが予想され、海外からの渡航者のiPhone購入が増加する可能性は高い。
例年にならえば9月に発売されるであろう新型iPhoneについても、円安の影響、部材費・物流費の高騰という価格上昇要因があるため、大きな値上げとなる可能性が高い。先日にはMac製品が値上げを行っており、iPhoneシリーズにも値上げを予測する声は強い。MM総研では、iPhone 13シリーズから最大2割の値上げも懸念されるとしている。