令和4年6月13日に開催された参議院本会議の中で、「侮辱罪」を厳罰化する改正刑法が賛成多数で可決され、成立した。インターネット上での誹謗中傷が相次いでいることを受けたもので、今年の夏にも施行するとしている。

  • 法案が可決され、一礼する古川 禎久法務大臣(画像は参議院インターネット審議中継から)

「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。」と定められた刑法231条に関する内容。深刻化するインターネット上での誹謗中傷に対応するため、これまでは勾留と科料のみだった法定刑の上限を、1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金に引き上げる。

可決された改正刑法には、1907年以来115年ぶりとなる刑罰変更も盛り込まれており、懲役刑と禁固刑を一本化する「拘禁刑」が新設される点も特徴。刑務作業を軽減して指導や教育プログラムを強化し、受刑者の更生に重点を置いて再犯防止に努めるという。拘禁刑の施行は3年後を目処にしており、侮辱罪の厳罰化は先行して今年の夏にも行われる。