ダイキン工業は6月9日は、「エアコンの電力消費と節電に関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。併せて、夏の冷房における上手なエアコンの使い方を紹介した。

  • 今年の夏、発電所のメンテナンスや夏の電力需要の増加などにより、電力需給がひっ迫する恐れがあることを知っていますか?

電気代上昇で節電意識も向上、エアコン利用を控えた人も

政府は企業や家庭に対し、全国的に節電を呼びかけており、消費電力を抑える必要性がこれまで以上に高まっている。

「今年の夏、電力需給がひっ迫する恐れがあることを知っていますか?」との質問に、約7割(65.8%)が「知っている」と回答。また、「電気代上昇によって家計への負担の高まりを感じていますか?」との質問には約8割(78.9%)が「感じている」と回答し、省エネ・節電に対する人々の意識は大きく高まっていることが明らかとなった。

また、「この夏、昨年よりも省エネ・節電に取り組みたいと思いますか?」という質問に、約9割(90.7%)が「取り組みたい」と回答。電力需給のひっ迫や電気代の値上がりを背景に、省エネ・節電に対する人々の意識は大きく高まっている。

  • この夏、昨年よりも省エネ・節電に取り組みたいと思いますか?

その理由を尋ねると、約8割(81.3%)が「家の電気代上昇を抑えるため」と回答し、他の項目を大きく抑えて最多であった。節電要請に応えたい気持ちや環境への意識がありつつも、現状では日常の生活と密接にかかわる「電気代の上昇」を強く意識している人が多いとダイキンはみている。

昨年以上の省エネ・節電のための具体的な取り組みやアイデアを質問すると、約7割(67.1%)が「ない(どうすればいいかわからない、これから考えたい)」と回答した。

  • 夏場の日中に一番消費電力が大きいと感じる家電製品

「夏場の日中に一番消費電力が大きいと感じる家電」を聞くと、約7割(74.7%)が「エアコン」と回答した一方で、夏場の日中(ピーク時)におけるエアコンの消費電力の割合を「5~6割程度」と正しく回答できた人は約1割(約13.7%)と少なく、多くの人がエアコンの消費電力を実際より少なく見積もっていた。

  • 夏場の日中のエアコンが家庭の消費電力に閉める割合は?

また、「省エネ・節電のために夏場のエアコン使用を我慢しようと思うことがありますか?」という問いに、約6割(64.7%)が「ある」と回答。省エネ・節電のための上手な使い方として工夫したいことを聞くと、「設定温度を少し上げる(控えめにする)」という回答が約7割(66.3%)で最多。

一方で「定期的にエアコンのフィルターを掃除する」(32.7%)、「室外機の吹き出し口周辺に物を置かない」(13.1%)といった回答は少なかった。

こまめな電源オンオフは逆効果、30分程度ならつけっぱなしに

ダイキンは上手なエアコンの使い方として、「2週間に1回のフィルター掃除」を推奨している。ちなみに、フィルターを一年間掃除しないと約25%の電気代の無駄につながる場合があるという。

  • フィルターを一年間掃除しないと、約25%も電気代がアップ

また、室外機の吸込口や吹出口がふさがれるとエアコンの運転効率が下がり、消費電力が上がって電気代も上がるという。そのため、室外機にカバーをかけたり室外機の周辺に荷物を置いたりせず、室外機周辺の風の流れを妨げないようにすることを勧めている。

また、直射日光で室外機の周辺が熱くなる場合は、室外機から1メートルほど離れたところに「よしず」などを立て掛けることも効果的としている。

  • 室外機周辺の空気の流れを確保し、高温になることも避ける

エアコンは電源を入れた直後は多くの電力を消費する一方で、設定温度に到達すると電力は少なめ。エアコンのスイッチをこまめにオンオフすると消費電力が増加するため、多くの場合「30分程度であれば、スイッチを切るよりもつけっぱなしにした方が消費電力を抑えられる」としている。

  • 30分程度の外出や定期的な窓開け換気時は、エアコンは「つけっぱなし」が正解

なお、定期的に窓開けて換気する場合でも、つけっぱなしが良いという。同社の実験では、30分に5分の窓開け換気のたびにエアコンの電源を小まめにオンオフにするよりも、エアコンをつけっぱなしにした方が、電気代が1日で約45.7円(1カ月換算で約1,371円)低くなった。

  • 電気代節約のためにはエアコンの風量は「自動」がベスト

エアコンの風量は「微風」や「弱風」よりも「自動」にしておくほうが効率的。風量が少ないと設定温度にするまでに時間がかかり、その分、無駄な電気代がかかってしまうこともあるという。