マイクロソフトとの連携で、SAS Cloud×Azureの利用を推進

ダバギ氏は、アナリティクスにおけるクラウドの重要性を繰り返し説いていたが、SASはクラウド戦略において、マイクロソフトと強力なパートナーシップを築いている。「われわれは、Amazon Web ServiceやGoogle Cloud Platform、日本のパブリッククラウドもサポートするが、中でもマイクロソフトとの関係は重要だと考えている。クラウド戦略において、われわれのテクノロジーをMicrosoft Azureにおいて最適化することがポイントとなっている」と、ダバギ氏は語った。

昨今、企業ではマルチクラウドの利用が進んでいるが、その点はどう考えているのだろうか。

ダバギ氏は、「多くの顧客がさまざまなクラウド戦略を持っており、マルチクラウドを利用する企業があることも理解している。しかし、現時点で、複数のパブリッククラウドをSASのテナントでサポートすることはない。なぜなら、マルチクラウドは効率の問題を抱えているからだ」と、同氏は指摘した。

複数のクラウドを統合するには時間と手間がかかるうえ、当然、投資も必要となり、プロジェクトは遅れてしまいがちだ。ダバギ氏によると、優秀なエンジニアでも難しい作業だという。

マイクロソフトとの提携により、ランタイムやアベイラビリティを最適化した上で、最新のバージョンのAzureをSASの環境で走らせるというコミットメントもあるため、Azure上でSAS製品を活用すれば、クラウドの環境構築に要する手間を省くことができ、パフォーマンスが確保された環境を利用することができる。

データ活用をもっと進めるための3つのポイント

ダバギ氏に、データ活用を進めたい企業は何をすべきかと聞いたところ、3つのアドバイスが返ってきた。

まずは、全社的に使えるクラウドネイティブなプラットフォームを意識することから始めるべきだという。これにより初めて、部門の壁を超えたデータ活用の拡張性が担保されるそうだ。

BIをはじめ、データ分析の歴史は長く、何らかのツールを導入している企業は多いだろう。部署ごとに異なるツールが導入されているかもしれない。それでは、全社で統一したアナリティクスを得ることができず、結果として、全社としての意思決定もできないことになる。

ダバギ氏は、「これまでは部門に限定されていた環境を全社的に展開していくことが重要」と語る。

2つ目のポイントは「人材をCoEに集める」ことだ。CoEという1つのグループに統合することで、より大きな能力を持ったチームで意思決定ができるようになるという。

ツールを統合するとともに、人材も1つのチームにまとめようというわけだ。「CoEを中核とすることで、今まで存在した大きな壁を打破して、意思決定ができるようになる」と、ダバギ氏はいう。

最後のポイントは「若い人材への投資」だ。ダバギ氏は「若い人材を効率よく活用できるようにしていくことが重要」と話す。同氏によると、若い人材はOSSに興味を持っているため、SASとしてはOSSが企業で使えるようにしていくことがミッションと考えているという。例えば、分析プラットフォーム「SAS Viya」では、PythonやRといったオープンソースのプログラミング言語を用いて、データ分析が行える。

「ユースケースがあれば、ビジネスの課題を解決する形でシームレスにテクノロジーを導入できるので、われわれは顧客がユースケースを作ることができるよう投資を行っている」と話していたダバギ氏。SASは企業が抱える課題にフォーカスを絞り、それを解決するために、これからも顧客と深いレベルのエンゲージメントの構築に注力していく。