Microsoftは2021年後半にMicrosoft Storeをリニューアルし、イベント「Build 2022」でもいくつかの改善内容を披露。そして現地時間2022年5月27日には、コミュニティによってノミネートされた「Microsoft Store Community Choice Awards」と、Microsoftが認定するアプリを列挙した「Microsoft Store Editor's Choice Awards」を発表した。

Microsoft Store Community Choice Awardsには、筆者も使用している「Files App」や、画像表示に欠かせない「IrfanView64」、Windows 11で使い勝手が悪くなったサウンドミキサーを補う「EarTrumpet」などがランクイン。

特にFiles Appsは多くの修正を加えたバージョン2.3がプレリリース段階に進んだので、利用しているユーザーは期待してよさそうだ。個人的には複数ファイルをドラッグ&ドロップしたときの動作が、エクスプローラーと異なる点の改善を期待したい。

  • タブ形式のファイラー「Files App」

Microsoftのこうした取り組みは筆者が知る限り、Windows Storeから改称して初めてである。ライブラリーの充実度向上もさることながら、改めてMicrosoft Storeへ注力するMicrosoftの姿勢が現れた結果だろう。さらにMicrosoftは利用促進を目的に、Windows 11の検索ページにMicrosoft Storeの検索結果を加え、新デバイスでインストール済みアプリを復元する機能を実装する予定だ。

  • 検索結果にMicrosoft Storeの内容が加わる(公式ブログから抜粋)

他方で、Windows Package Manager(winget)はインストール可能なアプリのソースにMicrosoft Storeを加えており、検索→インストールと煩雑な操作を行わずとも、必要なパッケージをまとめてインストールできる。wingetのソースを利用してもよいが、Microsoft Storeアプリの更新ボタンひとつでアップデートできるのは大きいだろう。

  • wingetの実行例。たとえばMicrosoft Teamsも、Microsoft Storeとwingetと2つのソースを選択できる

このように利便性が向上するMicrosoft Storeだが、いくつか苦言がある。一つは検索品質。たとえば広告としてWindows 11 Pro for Workstationsが現れるものの、いざ検索するとヒットしない。もう一つは偽アプリの乱立だ。メジャーな音声編集アプリ「Audacity」の開発陣であるTantacrul氏は、偽アプリの横行を防ぐため、自ら登録を行ったとツイートしている。また、ストレージ性能を測る「CrystalDiskMark」やストレージ情報を可視化する「CrystalDiskInfo」の作者は偽アプリに苦慮したと自身のWebサイトで報告した。

  • 「Windows 11 Pro for Workstations」の検索結果

米国はフェアユースを主軸にしているため、審査が不明確になるのかもしれない。スマートフォンのアプリストアを見ても「明らかに模造アプリ」と思われるものが見受けられる。だが、「検索でヒットしたアプリが本物」であることを希望・期待する日本のユーザーとしては、Microsoftに検索品質や偽アプリ対策を希望したい。