米Googleは6月1日(現地時間)、ビデオ会議サービスの「Google Meet」とビデオチャットの「Google Duo」を統合する計画を発表した。Duoの機能はそのままにMeetの全ての機能を追加し、今年後半にDuoアプリの名称を「Google Meet」に変更する。

Duoは2016年にGoogle I/Oで発表された。チャットアプリの「Allo」も共に発表しており、当時はDuoがFaceTime対抗、AlloがiMessage対抗と見なされた(Alloは2019年に終了)。電話番号に紐付けられたサービスになっており、スマートフォン向けの機能を数多く備え、1対1なら電話をかけるように相手を呼び出して無料通話を開始できる。簡単に会話を楽しめるのが特徴。Meetは企業や教育機関向けにG Suite(現Google Workspace)で提供されていたビデオ会議サービスで、新型コロナ禍のテレワークやリモート学習のニーズで利用者を増やし、機能を拡充させながら存在感を高めている。

おしゃべりや雑談に適したDuoと、会議やプレゼンテーション向けのMeet。目的に応じてそれぞれに最適化されて成長してきたサービスだが、同じGoogleのビデオ通話サービスでありながら2つは分断された状態にあり、両方を使っているユーザーは2つのアプリを行き来しなければならない。Googleはユーザー中心のコネクテッド体験の構築に乗り出しており、Gmailアドレス(Googleアカウント)と電話番号を中心に1つのビデオコミュニケーションサービスとして、ユーザーがより簡単にビデオ通話を利用できるようにする。

2つのサービスの統合によってDuoとMeetのどちらかの機能が失われることはない。これまでMeetでしか利用できなかった機能をDuoアプリのユーザーが利用できるようになり、例えば、これまで最大32人だったDuoのグループビデオ通話が最大100人に増加。リアルタイムのクローズドキャプション、コンテンツのライブシェアなどを利用できるようになる。

「ビデオ通話と会議の技術を、パワフルで使いやすい単一のソリューションにまとめることに期待がふくらみます。ビデオコミュニケーションはGoogleが重視している分野であり、家庭、学校、職場において、あらゆるデバイスで人々がつながってコラボレーションし、体験を共有できるようにGoogle Meetへの投資を続けていきます」とJavier Soltero氏(Google Workspace担当バイスプレジデント)。