米Microsoftと米Epic Gamesが提携し、Microsoftのクラウドゲーミングサービス「Xbox Cloud Gaming」(ベータ)でサブスクリプションサービスを契約することなく、Epicの人気ゲーム「Fortnite」をストリーミングプレイできるようにした。

Xbox Cloud Gamingは、ゲームをクラウドで処理して端末にストリーミングする。通信環境が整っていれば、性能が非力なPCやモバイルデバイスでも、最新のゲーム機やゲーミングPCを必要とするようなゲームタイトルを遊べる。クラウドゲーミングによってゲームで遊ぶ人の裾野が広がる可能性が指摘されているが、これまでXbox Cloud GamingはMicrosoftのゲーミング・サブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」のUltimateプラン(月額1,100円)で利用できるサービスの1つとして提供されてきた。

それが「Fortnite」で無料開放された。iOS/iPadOSデバイス、Androidスマートフォン/タブレット、Windows PCなどで対応するWebブラウザを使ってXbox.com/playにアクセスし、Microsoftアカウントでサインインしてストリーミングプレイする。

「Fortnite」はAppleのApp Storeのガイドライン違反でiOS/iPadOSデバイスやMacで遊べなくなっており、クラウドゲーミングがAppleのデバイスで同タイトルを遊べる唯一の方法だ。今年1月にNVIDIAがクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」で「Fortnite」の提供を開始したが、今もクローズドベータが続いている。Xbox Cloud Gamingもまだベータではあるものの、日本を含む26カ国で「Fornite」を提供し始めた。

Epicは「Fortnite」で、ゲームを無料で配布し、バトルパス、スキンやエモートをゲーム内で販売するFree-to-Playモデルを採用している。立ち上がり段階にあるクラウドゲーミングでは、ゲーム内でのストア提供や収益分配のルールが定まっていないため、Epicは過去にクラウドゲーミング・プラットフォームへの参加に慎重な姿勢を示していた。今回MicrosoftとEpicが収益分配などでどのように合意したかは明らかになっていない。

2020年9月に22カ国でXbox Cloud Gamingの提供がスタートしてから約1年半で、Ultimateプラン内のサービスであるにもかかわらず、プレイヤーが1,000万人を突破した。MicrosoftはFree-to-Playタイトルの追加がクラウドストリーミングサービスの重要なステップになるとしており、「Fortnite」を皮切りに「今後もゲームファンの関心に応えるFree-to-Playタイトルを届けたい」と、Xbox Cloud Gamingを率いるCatherine Gluckstein氏は述べている。