アユートは、Astell&Kernのポータブルオーディオプレーヤー「A&futura SE180」向け交換用DACモジュール第4弾「SEM4」を5月20日に発売する。旭化成エレクトロニクス(AKM)のDAC「AK4493SEQ」をデュアル構成で採用し、AKプレーヤー初のデジタルオーディオリマスター(DAR)機能も搭載した。価格は59,980円。
SE180(2021年発売)は、異なるオーディオ特性を持つDACモジュールをユーザー自身で交換し、サウンドの違いを楽しめるハイレゾ対応のポータブルプレーヤー。各モジュールにはAstell&Kern独自の主要回路を一体化したサウンドソリューション「TERATON ALPHA」を搭載し、ヘッドホン出力も備えている(野村ケンジ氏によるレビューはこちら)。
現行のモジュールは、SE180に同梱のESS「ES9038PRO」シングルDACモジュール「SEM1」、AKMのDACチップ「AK4497EQ」2基を使ったDACモジュール「SEM2」、ESSのDACチップ「ES9038Q2M」を4基搭載した限定生産モジュール「SEM3」の3種類。今回新たに4番目のDACモジュールとして「SEM4」が加わる。
SEM4では、AK4493SEQを左右各1基、合計2基使用したデュアルDAC構成で搭載。AK4493SEQではAKMのVELVET SOUNDテクノロジーを採用しており、ノイズや歪みを抑えた自然なサウンドを再生でき、超低歪と広いダイナミックレンジを特徴としている。
最大768kHz/32bitまでのPCMと、DSD 512(22.4MHz)のネイティブ再生をサポート。AKプレーヤー初のデジタルオーディオリマスター機能を備え、音源のリアルタイムアップサンプリング再生も可能にした。これにより、「繊細でアナログライクな音を提供し、倍音の豊かさ、音楽の微妙なニュアンスの違い、豊かな響きをより高い次元で楽しめる」という。
DARでの変換ではPCMとDSDが選択できる。PCMの場合、44.1/88.2/176.4kHzは352.8kHzへ、48/96/192kHzでは384kHzに変換して再生。量子化ビット数16/24/32bitはすべて32bitに変換する。また、DSDへの変換は、96kHz以下のPCMはDSD128(5.6MHz)に、176.4kHz以上のPCMはDSD256(11.2MHz)に変換して再生する。
ヘッドホン出力は3系統で、3.5mm 3極アンバランス、2.5mm 4極と4.4mm 5極のバランス接続端子を備える。バランス接続とアンバランス接続はチャンネルごとに分離し、相互干渉しない独立した回路設計とした。
低消費電力化を実現するために開発した高度なスイッチやコンデンサーなどのテクノロジーにより、SE180用DACモジュールの中で最長となる連続約14時間の長時間再生も実現した(FLAC 44.1kHz/16bit、ボリューム50、EQ・画面オフ、アンバランス出力、ノーマルゲインの場合)。モジュールのサイズは約77×19.9×76mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約90g。