3つ目は、Amazonが2022年2月に発売した「Echo Buds(エコーバッズ)」だ。シリーズとしてのナンバリングは「第2世代」ではあるものの、第1世代は日本国内での取り扱いがなかったため、実質的には日本初上陸となる。

Amazon.co.jp価格は、ワイヤレス充電非対応のケースだと12,980円、ワイヤレス充電対応だと14,980円。どちらも、ほかの2機と比べて一回り安い。

  • Echo Buds(第2世代)のケース。カラーは「ブラック」と「グレーシャーホワイト」の2色を展開する

  • イヤホンの形状は、ほかの2機とは異なりカナル型だ

価格低めでもANCやアンビエントモードが付いた「Echo Buds(第2世代)」

同機は、「Echo」の名を冠する通り、Alexa(アレクサ)を介したボイスコントロールに対応するのが特徴だ。筆者としては、Alexaを使えると、その日の天気や時刻を聞くだけでなく、Spotifyを再生したり、スマート家電を制御したりできるのが便利には感じる。ただ、正直言うと、スマートフォンの音声アシスタントやスマートスピーカーでも同じことができるので、便利に感じるかどうかは、Alexaへの信頼度で決まるだろう。

一方、この価格帯でありつつもANCやアンビエントモード(外部音取り込みモード)に対応しているのは、同機の大きな魅力だ。

例えば、ANC対応がないイヤホンでも、バスや電車(地上)ならば、ある程度BGMを楽しむことはできる。しかし、地下鉄または飛行機内でゴーっと鳴る騒音や、皿洗い時の水の流れる音、ドライヤーで髪を乾かすときなどに、音楽を楽しむにはANCは必須だ。また、台所で料理をする際には、外部音取り込みモードに切り替えることで、コンロの火の音などを確認できて安全だ。

  • 各種設定操作は「Alexa」アプリから行う

ストリーミングで音楽を楽しむうえでは、音質はLinkBudsとさほど変わらない。ただし、密閉感のあるカナル型ゆえに、音圧が少し高く感じやすい傾向はあるし、ほかの2機種と比べて音漏れが少ないのは嬉しいポイントだ。

一方、ドライヤーをオンにした状態で通話をするような過酷な場面では、会話が途切れ途切れになってしまった。マイクの品質かソフトウェア処理の問題かはわからないが、この点は価格相応といったところなのだろう。ただし、iPhoneで使う分には、iOS標準のマイクモードで「声を分離」を選べばドライヤーの音は一切聞こえなくなるので、そこまで気にしなくて良いポイントだとも思った。

  • 3機種の特徴を改めておさらい(冒頭の表を再掲:著者作成)

今回紹介した3機種以外にも、市場には様々な完全ワイヤレスイヤホンがあふれている。購入を検討する際には、今回紹介した3機種を軸に、比較検討してみると良いだろう。