• ASUSが4つの"尖った"新ゲーミングPC、最高峰のCPU&GPUと個性的な筐体デザインで刷新

    ASUS JAPANが2022年のゲーミングPC新ラインナップを一斉発表

ASUS JAPANが2月17日、ゲーミングPCの新製品として、モバイル特化の「ROG Flowシリーズ」、スリムノートの「ROG Zephyrusシリーズ」、eスポーツ向けの「ROG Strixシリーズ」、耐久性が特徴の「ASUS TUFシリーズ」の4シリーズに、それぞれ新機種を発表した。製品情報は既報の通り。本稿ではその発表会の内容をレポートする。

  • 新時代のゲーミングノートをお見せしたいとするASUS JAPANの代表取締役社長 Alvin Chen氏

  • イノベーションのROG Flow、デザインのROG Zephyrus、性能のROG Strix、タフさと手軽さのASUS TUFという、同社ゲーミングノートPCのポジショニング

ゲーミングノートPCの未来をみせる「ROG Flowシリーズ」

ROG Flowシリーズでは、キーボードを取り外してタブレットとしても使用できる2in1ゲーミングノートPC「ROG Flow Z13」と、ディスプレイが360度回転可能な「ROG Flow X13 (2022)」をラインナップする。ともに13.4型ディスプレイを搭載、軽さを1kg台前半、GPUは上位機種でNVIDIA GeForce RTX 30シリーズを採用というスペックを持つ。

特にキーボードがデタッチャブルなROG Flow Z13は、外出時のゲームプレイでも性能を発揮しやすい。本体となるタブレット側は14.5mm厚のスリムボディに、最上位モデルではCPUがAlder Lake世代のCore i9-12900H、GPUにはGeForce RTX 3050 Ti Laptopを搭載。さらに外付けGPUボックスの「ROG XG Mobile」と組み合わせることで、より高い性能を狙うこともできる。現行のROG XG MobileはGeForce RTX 3080などGeForce GPUを採用しているが、今回の発表では、近日発売予定として新たにAMDのRadeon GPUを採用した新製品「ROG XG Mobile GC32」の投入もアナウンスされた。

  • 2in1ゲーミングノートPC「ROG Flow Z13」

  • ボディの一部が透明パネルで、内部基板がのぞき込めるのも面白い

  • ROG Flow Z13のスペック。一線級のゲーミングPCだ

  • Radeon版のROG XG Mobileも告知

スマートさと性能を両立する「ROG Zephyrusシリーズ」

ROG Zephyrusシリーズでは、デザインが武骨になりがちなゲーミングPCにあって、スタイリッシュ&ウルトラスリムという方向性を持たせている。ROGブランドのPCである以上、もちろん性能面は"盛って"あり、最上位モデルはCore i9-12900HとGeForce RTX 3070 Ti Laptopを搭載。狭額縁で薄く、重さも約2kgというボディに対してかなりのハイスペックを実現した。

シリーズのラインナップは4モデルあり、セカンドディスプレイをキーボード面に搭載した「ROG Zephyrus Duo 16」、16型の大画面でゲームを大迫力で楽しめる「ROG Zephyrus M16 GU603ZW/GU603ZM」、15.6型の扱いやすいサイズのディスプレイを搭載した「ROG Zephyrus G15 (2022)」、天板に搭載した1,449個のミニLEDでドット絵を表示できる14型の「ROG Zephyrus G14 (2022)」と、単純な内部スペックの違い以上に個性の異なる製品を用意した。

  • ROG Zephyrus G15 (2022)

  • ROG Zephyrus G14 (2022)

  • ROG Zephyrus M16 GU603ZW/GU603ZM

  • セカンドディスプレイを備えるROG Zephyrus Duo 16

"最強"を目指すための「ROG Strixシリーズ」

ROG Strixシリーズは、ROGブランドのゲーミングPCのなかでも、最強のノートPCが欲しいというニーズに対応したもの。ASUSとしても表立って「eスポーツ向け、勝つためのゲーミングノート」とうたっている。ディスプレイ仕様や内部スペック違いで4モデルをラインナップするが、すべてのモデルでCPUに最上位クラスのAlder Lake世代Intel CPUまたはAMD Ryzen 6000シリーズ、そこにNVIDIAのLaptop GPUを組み合わせている。

注目モデルは360Hz高速リフレッシュレートを備えた17.3型の「ROG Strix SCAR 17 G733ZX」と、300Hzリフレッシュレートの15.6型の「ROG Strix SCAR 15 G533ZX」の2製品だ。どちらもCore i9-12900HとGeForce RTX 3080 Ti Laptopを搭載。価格も40万円弱とハイエンドだが、最新ゲーミングデスクトップ並のスペックに、トップレベルの高速ディスプレイという環境が、持ち運べるノートPCサイズに収められている。

  • ROG Strix SCAR 17 G733ZX

  • キーボード面には一部透過素材が使われていた

  • NFCデバイスのROG Keystoneも

  • こんなところにも光もの

  • Strix SCARの前世代比

  • 今回も本体ボディに「謎のメッセージ」が隠されている。例えばデコレーションカバーを外すと……

ゲーミング製品の強化を継続するASUS

今回のROGゲーミングノートPCに共通するポイントとして挙げられるのが、冷却能力の強化だ。高性能CPU&GPUを採用しながら、薄型化などボディデザインにこだわれた理由のひとつだ。まず新しいROGでは全モデルで、チップの冷却用に特殊な液体金属グリスを採用し、従来の熱伝導グリスと比較した場合で、CPU温度を「最大15度下げることに成功した」という。この液体金属グリスはCPU用グリスで評価の高いThermal Grizzly社と共同開発したもの。液体金属は流動性が高いため、量産ノートPCでは生産工程上の扱いづらさから採用が難しかったが、ASUSでは液体金属導入用に機材を見直した生産ライン(特許も取得したという)まで作ってこれに対応したそうだ。

  • 高性能化を支える冷却能力の強化

  • 液体金属グリスでThermal Grizzlyと協業

  • 効率的なエアフローをうむベイパーチャンバー構造も採用した

また、dGPUの出力信号を直接ディスプレイに接続することで、画面描画のレイテンシを減らす「MUX switch」技術も搭載している。dGPUで描画をした場合でも、iGPUでルーティングしてから出力するのが普通だが、MUX switchによってiGPUを通さずに直接ディスプレイに出力できる。dGPUとiGPUで、タスクに応じてdGPUをオフにするなど切り替えるので省電力になるが、一方でdGPUにボトルネックになる部分もあった。MUX switchを搭載することで、普段はiGPUの省電力低発熱のメリットを享受しながら、いざゲームとなったらdGPU直結で性能を最大限伸ばすといった使い方が可能になっている。

  • MUX switchの接続イメージ。ゲームによっては最大30%の性能向上も確認できたとか

  • 専用のパフォーマンス制御用コントロールパネルでMUX switchの設定ができる

そして今回のROGノートPCからは、搭載ディスプレイの性能を示す「ROG Nebula Display」と、より高性能な「ROG Nebula HDR」の2つの基準も設けられた。色再現性や応答速度、MUX switchの有無、バックライトの違いなど、ゲームプレイで重視される性能項目で評価し、一定基準を超えるディスプレイを搭載するゲーミングノートPCであればこの性能基準が明示されるようになる。「画面も良いモノを選びたいから、ROG Nebulaマーク付きにしよう」といった、ユーザーからのわかりやすさを手助けする狙いがあるとのことだ。

  • ディスプレイ性能を表す「ROG Nebula Display」と「ROG Nebula HDR」のバッジ

  • 今回設けられた基準。今後、ディスプレイ性能がさらに向上していけば変わるかも

他にも、アフターケアの面からもゲーミングPC購入を後押しする新施策が発表された。今回新たに、ASUS Storeからの購入で返品保証を付与する「ASUS Store限定30日間返品保証キャンペーン」などがスタートしている。自損にも対応する製品保証拡大サービスも用意した。値段も高めになりがちで、少し"普通と違う"感のあるゲーミングPCにおいて、これらは特に入門者にとって「安心」が得られる。製品とあわせて、保証の違いもチェックしておくとよいだろう。

  • ASUS TUFシリーズにも新モデルが発表された。詳細は後日公開予定

  • ASUSあんしん保証は「故障原因一切不問」という思い切ったサービス