5K解像度に対応したVRヘッドセット「arpara VR」が間もなく登場。クラウドファンディング(Kickstarter)での先行販売が終了して順次出荷が開始されますが、今後さらに別のクラウドファンディングも予定されており、正式販売につなげていくとしています。すでに日本でもクラウドファンディング(CAMPFIRE)での先行販売を実施済み。今回、製品を試用する機会があったので紹介します。

  • arpara 5K VRヘッドセット

arpara VRは、1.03インチのマイクロOLEDディスプレイを左右それぞれに搭載し、両目で5,120×2,560ピクセルという5K解像度を実現したVRヘッドセットです。パソコンやスマホと接続して使う「arpara 5K VRヘッドセット」と、単体で利用する「arpara 5K VRオールインワン」の2モデルがあり、今回は前者を体験。なお、arpara 5K VRヘッドセットはパソコンだけでなくスマホともつながることから、「接続型VR」と表現しています。

arpara 5K VRヘッドセットは200gという軽さが特徴。両目で5K解像度、リフレッシュレート120Hz、視野角95度、色域はDCI-P3で90%といったスペックです。スタンドアローンのオールインワンモデルは、重さが380g、リフレッシュレートが90Hzとなっており、両目解像度は同じ5K。SoCはQualcomm XR2を搭載し、Wi-Fi 6とBluetoothをサポート。6,500mAhのバッテリーを搭載しています。

  • コンパクトで軽量なボディ。200gということでかなり軽く感じます

  • 両目で5Kの解像度

オールインワンモデルは4つのカメラとアルゴリズムによって、単体で6DoF(※)に対応。arpara 5K VRヘッドセットは本体前面に「arpara Tracker」を装着することで6DoFに対応し、装着した人の動きを詳細に検出可能です。また、HTC VIVEなどSteamVRに対応したベースステーションとコントローラーもサポートしています。

※:DoF(Degree of Freedom) XYZ軸によって3つの動き(回転)に対応し、頭の向きや傾きを検知するのが「3DoF」。この3DoFに、XYZ軸に横の動き(移動)を加えて6つの動作を検知できるのが「6DoF」です。

  • 底部から見たところ

  • こちらは上部。USBポートはarpara Trackerの接続部にあります

  • 本体側面。厚みもそれほどではありません

  • 実際にTrackerを装着したところ

オールインワンモデルはAndroidベースの独自OSとアプリストアを備え、SteamVRと互換性を持つほか、今後はVivePortも利用可能になるそうです。独自プラットフォームの「arparaland」も用意してゲームなども提供しますが、ここはメタバース上のコミニュケーションプラットフォームが中心になるとしています。

開発元のarparaは、「今回の製品開発においては解像度と大きさ、重さを重要視して挑戦したとコメント。軽量化には、視野角を95度に抑えたことが大きなポイントになっています。また、1.03インチのOLEDとパンケーキレンズを採用したことで、コンパクトで軽量なボディを実現しました。

オールインワンモデルはバッテリーも内蔵しますが、6,500mAhという容量はVRヘッドセットとしては大容量。にもかかわらず、小型軽量化できた点を強調しています。なお、バッテリー駆動時間はゲームで約2時間30分、動画再生で約3時間となっています。

実際に試用したarpara 5K VRヘッドセットは、ほかのVRヘッドセット製品と比べても十分に軽い200gという重さに加えて、本体サイズもコンパクトに仕上がっているため、装着時の負荷が少ないと感じます。arpara Trackerを装着しても275gです。頭に装備するヘッドバンド部は、バンド背面のダイヤルを回すと締め付ける仕組みで、扱いやすく安定性も高い印象でした

  • 背面から締め付けるようにして頭部に固定する。頭頂部のバンドがないのはいい

  • 背面のダイヤルを閉めて頭部に固定する

  • 実際に装着したところ

5Kの映像は確かにキレイ。できれば8Kぐらいまでは欲しいところですが、サイズなどを考えると、現時点ではバランスのいい解像度だと思います。今回の体験では高性能なパソコンに接続しているため、ゲームは快適に動作し、コントローラーの動きにも適切に反応して違和感なくプレイできました。

  • HTC VIVEのベースステーションとコントローラーでゲームをプレイ

リリース当初は接続型VRの「arpara 5K VRヘッドセット」モデルを提供しますが、2022年の第1四半期にはオールインワンモデルも投入。両モデルとも海外クラウドファンディングサイト(Kickstarter)の支援期間は終了していますが、同じく海外のIndiegogoでもクラウドファンディングを開始する予定となっています。

VRヘッドセットはデザインと重さが課題のひとつなので、その解消を狙ったarpara VRは注目度が高いのではないでしょうか。特にオールインワンモデルはワイヤレスで気軽に使えることから、個人的には大きな期待をかけています。Meta Quest 2が500gほどなので、それに比べても380gというのは大幅に軽量。価格がMeta Quest 2の399ドルに対して599ドルと高価なのは仕方のないところでしょう。

接続型のarpara 5K VRヘッドセット、オールインワン型のarpara 5K VRオールインワンとも、軽量性と性能でアピールするarpara VR。今後、日本での正式販売に期待です。