フィリップス・ジャパンでは、メンズグルーミング用の電動シェーバー最高峰モデル「S9000シリーズ」を2月18日に発売します。世界初をうたう「過圧防止センサー」を搭載し、1人ひとりにマッチしたシェービングをサポートしてくれるそうです。推定市場価格は38,280円から。メディア向けのオンライン発表会と実際の使用感を紹介します。
S9000シリーズは、スリーサイクロンヘッドを搭載した回転式シェーバー。3つのシェービングユニットを備えた、硬派なフォルムが目を引きます。フィリップスの独自技術「SkinIQテクノロジー」によって、その人に最適な剃り心地を提供するとしています。
3モデルの展開となり、本体色がクロームシルバーのS9985/50(38,280円)のほか、充電スタンドを同梱したアイスブルーのS9982/54(42,900円)、さらにヒゲスタイラー(AC20)を同梱したダーククロームのS9987/59(48,400円)が用意されます。
フィリップス・ジャパン パーソナルヘルス事業部の加藤裕一郎氏は「回転式シェーバーの利点を最大活用し、パーソナルフィットシェービングを進化させました。お客さまに最適なシェービングが可能です」とアピールします。
同社が新機能として訴求するのは、冒頭でも書いた過圧防止センサー。これまで「深剃り」と「肌への優しさ」は両立できないと考えられてきましたが、フィリップスでは1.5~4N(ニュートン、最大約400g)の圧力でシェービングすることで、肌に優しいまま深剃りできると計算。そこでS9000シリーズは、毎秒30回、肌への圧力を感知し、インテリジェントライトリングで「青(弱すぎ)」「緑(最適)」「オレンジ(強すぎ)」を表示できるようにしました。
「リングの色を変化させることで、適切な圧力をリアルタイムでお知らせします」と加藤氏。アゴの下を剃っているようなときでも、何色に光っているか認識しやすい仕様です。なお、搭載している72枚の刃はヒゲを引き上げてカットする設計。さらに360度回転する360-D フレックスヘッドが顔の輪郭・凹凸に密着して効率よく巻き取ることで、肌へのダメージを最小限に抑えられる――と説明します。
オランダからZOOMで参加したRoyal Philipsのアイメン・ムニフ氏は、欧米人と比較してアジア人は「毎日ヒゲを剃る」ことに加えて「毛が硬くて太い」という民族独特の特徴を挙げます。同社の調査によれば、なんと男性の68%は適切な圧力でシェービングできていないんだとか。フィリップスでは1人ひとり異なる顔の輪郭や凹凸をしっかりとらえ、ヒゲの濃さを感知、シェービングガイドまで行う「パーソナルフィット・シェービング」を追求していると強調します。
アイメン・ムニフ氏は、毎秒500回もヒゲの密度を感知し、ヒゲの濃さに合わせて自動でパワーを調節する「ヒゲ密度感知システム」、シェービング動作を追跡して最適なストロークで剃れるようにガイドする「シェービング動作検知センサー」などの特徴を紹介。S9000シリーズには、フィリップス史上最小というコードレス洗浄システムも同梱されているとしたうえで「日本の洗面台でもお使いいただけます。1分で洗浄が終わります。電気を使わないので環境にも優しく、アルコールを使わないので肌にも優しい。水道水を使う場合と比較して10倍の清潔さがあります」と語りました。
「今回は男らしさ、カッコ良さを前面に出したデザインになりました。持ちやすく、それでいて優しくキレッキレに剃れる。従来製品と比べて音は静かでスムーズ。いろんな利便性を備えた、DXのソリューションに仕上がっています。新しいスタイルのシェーバーを皆さんの生活様式に取り入れることで、健康な生活をさらに充実していただけたら」(フィリップス・ジャパン 代表取締役社長 堤浩幸氏)
S9000シリーズは2月8日から、フィリップス公式ストア楽天市場店、PayPayモール店のほか、Amazon、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、エディオン、コジマ、ノジマで先行予約の受け付けを開始し、2月18日に発売します。
使ってみた
短時間ながら試用する機会があったので、簡単ですが使用感をお届けします。
見た目はいかにも重そうに感じたのですが、手に持つと予想以上に軽くて好印象。電源ボタンはやや押しにくさがありましたが、誤作動防止の配慮もあるのでしょう。起動時の振動は大人しめです。
肌に押し当てると、ゴリゴリ削り取る感じはありません。柔らかい接触面が肌を撫でていく感触。それでいて、頬をさすると、しっかりと剃れているのが分かります。筆者のアゴは尖り気味ですが、ヘッドを当てるとアゴ下が包み込まれていくようなイメージ。3つのシェービングユニットが、顔の輪郭に沿ってフィットする向きを変えているためです。鼻の下は、円を描くように小さく回転させながら剃ると良いとのことでしたが、慣れていないためか、初日はうまく剃れませんでした。何日か練習(というのも変ですが)が必要でしょう。
S9000シリーズがユニークなのは、スマートフォンと連携できるところ。専用アプリが用意されており、Bluetoothで接続すると個人に最適なアドバイスをしてくれます。使ってみたところ、「実際のシェービング時間は2分40秒でした。よくできました! 推奨時間内にシェービングが完了しました」「45%の時間、押し当てる力が適切でした。より良い仕上がりのために、次はもう少し強めに押し当てましょう」「34%の時間、円を描くように動かせました。円を描くような動きについて、まだテクニックを磨く余地があるようですね」といったメッセージが確認できました。ガイドを参照すれば、鼻の下もうまく剃れるようになりそうです。
USB充電の対応は?
オンライン発表会では、メディアからの質問にフィリップス・ジャパンの堤社長、パーソナルヘルス事業部の加藤氏、Royal Philipsのアイメン・ムニフ氏が回答しました。
―― 2022年の国内のパーソナルヘルス事業について。
堤社長:ヘルステック、ヘルスケアのカンパニーとして、皆さんにより健康な生活を送っていただくためのソリューションを提供していきます。今回のS9000シリーズも、規則正しく健康的でモチベーションの高い、充実した生活を実現する製品。今後も市場のニーズに応える、1人ひとりの生活にマッチングした製品を強化していきます。これにより皆さんの満足度が上がり、健康になり、ご活躍いただけるようになれば。
―― S9000シリーズの開発で苦労したこと。
アイメン・ムニフ氏:最適な圧力を判断する過圧防止センサーの開発に苦労しました。チームが何カ月も研究して最適な圧力幅を見つけました。そしてリアルタイムでフィードバックする方法も課題でした。どのようにシームレスに提供するか。また、あらゆるテクノロジーを小さなデバイスに盛り込むことも課題でした。
―― USB充電には対応しない?(S9000シリーズは専用の充電アダプタが必要)
加藤氏:いまSDGsの問題もありますし、より統一化された充電システムを開発していこうと考えています。今後の課題として、USB充電を積極的に検討していきたいと思います。
―― 国内戦略について。
加藤氏:フィリップスブランドの認知は比較的高いものの、シェーバーの認知が低いのも現状です。回転式シェーバーの利点、パーソナルフィットシェービングのすばらしさを、身だしなみ、スキンケアに興味を持たれている20~30代の方々、今後は40~50代の方々にもお伝えしていきたい。皆さんの健康的で自信が持てる日常生活をサポートしていけたら。