凸版印刷は2月2日、実物さながらの日本刀をスマートフォンで鑑賞できるiOS/Android用アプリ「刀剣鑑賞」を発売した。価格は1,100円。
文化財のデジタルアーカイブ事業を多数手がけてきた同社のノウハウを活かし、重要文化財「刀 朱銘 義弘/本阿(花押)〈名物 松井江〉」を忠実にデータ化。高解像度画像を画面いっぱいに拡大し、手元で実物を観察するかのように鑑賞できる。
博物館などのケース越しで眺める実物の日本刀では見られないような詳細な質感まで再現され、鋼を赤く熱して急冷する製造過程で生まれる「地沸」(じにえ)と呼ばれる微粒子の輝きまで見られるという。
スマートフォンを刀に見立てて傾けると、光の当たり方による刃文や地鉄の様子の変化も見られる。1枚の画像からCGで作り出すのではなく、光源を少しずつ移動させながら撮影した数百枚の画像をもとに再現されているため、より本物に近い反射や輝きを楽しめる。
なお、実物の「刀 朱銘 義弘/本阿(花押)〈名物 松井江〉」は2月13日まで、静岡県三島市の佐野美術館で公開されている。また、3月には第2弾として、瀬戸内市所蔵の国宝「太刀 無銘 一文字(山鳥毛)」のアプリ公開を予定している。