ソフトバンクのSIMカードはiPhoneやAndroidスマートフォンなど購入機種の種類によって区分が異なり、入れ替えができない仕様となっている。同社への取材により、2022年夏ごろまでに基本機能の制限を廃止する方向で準備を進めていることが分かった。

従来の制限内容

ソフトバンクブランドの契約時に発行されるSIMカードは細分化されており、iPhone購入回線とAndroidスマートフォン購入回線では発行されるSIMカードの仕様が異なる。

IMEI制限や非公開APNなどの制約により、区分を超えたSIMカードの差し替えが難しい仕様となっていた。たとえば、ソフトバンクで購入したAndroidスマートフォンを使っていたユーザーが中古のiPhoneを別途購入した場合、自分でSIMカードを差し替えるだけでは利用できず、ソフトバンクショップでSIMカードの変更・再発行を行う必要がある。

SIMフリー端末を持ち込んで回線のみ契約することは可能だが、この場合に発行されるSIMカードはソフトバンクのAndroid端末に対して発行されるものとは別であり、大多数のユーザーにとってはSIMフリー端末を購入して使う場合にもAndroid/iPhone間の入れ替えと同様に再発行が必要となる。

このSIMカードの細分化問題については、2021年2月、オンライン専用プラン「LINEMO」発表会の質疑応答において、メインブランドでもSIMカードの仕様統一を進める方針が明かされていた。

1月から順次仕様変更、夏ごろに対応完了

1月末ごろからSNS上で「ソフトバンクのAndroid用SIMをSIMロック解除済みの他社端末に入れたら使えた」という旨の報告が増えており、本誌ではソフトバンクに取材を行ったところ、制限を順次解除していることが確認できた。

同社によれば、1月からSIMカードの種類ごとに設けられていた制限の撤廃に向けた作業を進めており、2022年夏ごろには音声通話・SMS・データ通信といった基本機能の対応が完了する見通し。また、時期は未定としながらも、テザリング機能についても差し替え利用対応のための改修を進めている。

iPhone/自社Androidの入れ替えのほか、SIMフリー端末や他キャリアのSIMロック解除済み端末への差し替えも可能になる。この際の対応端末は、持ち込み契約時の動作確認済み機種一覧に準ずる。

2月2日時点ではまだ対応を進めている段階にあり正式機能ではないため、すべての組み合わせで制限が解除されている保証はない点に留意されたい。