スマートフォンやパソコンにおいて「トラッキング」とは、ユーザの行動を追跡すること。経度緯度情報を伴う物理的な意味だけでなく、ユーザがどのWEBサイトを閲覧したかなどインターネット上での行動をも指します。

「アプリのトラッキング」という場合は、当該アプリを利用したときの各種情報を追跡することを意味します。インターネット通販サイトの買い物アプリを例にすると、どの広告が閲覧されたか、どの商品ページにアクセスしたかといった行動履歴が収集され、おもにターゲティング広告(ユーザの属性情報や過去に閲覧した広告などをもとに適した広告を表示すること)を表示する目的で使用されます。

iOS 14以降、iPhoneではアプリのトラッキングを制御できるようになりました。『設定』→「プライバシー」→「トラッキング」画面にある「Appからのトラッキング要求を許可」スイッチをオンにしていると、トラッキングを行うアプリを起動したときに「○○○○が他社のAppやWebサイトを横断してあなたのアクティビティの追跡することを許可しますか?」と訊ねてきますが、そこで許可するとトラッキングが有効になります。

後日、そのアプリのトラッキングを禁止するときには、『設定』→「プライバシー」→「トラッキング」画面に表示されたアプリ別のスイッチをオフにします。以降そのアプリを利用してもトラッキングが行われないため、精度の高いターゲティング広告は表示されなくなります。

なお、トラッキングはターゲティング広告とその効果測定を目的に実施されるもので、個人を特定できない形でデータが収集されることが大半です。令和2年度の個人情報保護法改正により、クッキーなど個人情報を識別する情報の扱いが厳しくなったこともあり、"身元が確かな"アプリであれば過度に心配する必要はないでしょう。

  • 「アプリのトラッキング要求」は許可すべき?