◆消費電力(グラフ61~66)

最後は消費電力である。3DMark FireStrike Demo(グラフ61)、Borderlands 3 2K(グラフ62)、F1 2021 2K(グラフ63)、及び暁月のフィナーレ 2K(グラフ64)の4つについて、一連のベンチマーク完了までの消費電力変動を示した。それぞれのベンチマーク中の平均消費電力をまとめたのがグラフ65、そこから無負荷時との差を算出したのがグラフ66となる。

  • グラフ61

  • グラフ62

  • グラフ63

  • グラフ64

  • グラフ65

  • グラフ66

消費電力変動で見ると、GeForce RTX 3050は概ねGeForce GTX 1660よりちょっと多い程度、というのが判る。グラフ65で見ると、平均15Wほどの上乗せ。実際には待機時消費電力がやや低い事もあり、実効消費電力差(グラフ66)では20W前後の上乗せ、ということになるが、システム全体の消費電力でみるとRadeon RX 6600 XTは300W PSUだとギリギリになり、350W~400Wクラスが必要だが、GeForce RTX 3050はギリ300W PSUでも動作しそうな感じだ。

今回はCPUが消費電力のやや多いRyzen 7 5800Xを使ってこれだから、もう少し省電力なRyzen 5 5600Xとかなら300W PSUで十分賄えるだろう。このあたりは安心できる材料と言える。GeForce GTX 1660との性能差を考えれば、この消費電力増は許容範囲というか、バーターとしては悪くないと筆者は考える。

考察

値段をべつにすれば、全体としては非常に良い製品だと思う。確かにエントリモデルの性能底上げに大きく貢献する事は間違いない。消費電力もこの程度に抑えられているのなら文句はない。なお、製造はSamsung 8nm FNNを使っているそうだ。

2022年1月31日追記 お詫びと訂正:記事掲載時、GeForce RTX 3050は製造プロセスにTSMCの12FFNを使っていると記述していましたが、正しくはSamsungの8nm FNNでしたので、記事を修正いたしました。ご迷惑をおかけした皆様にお詫び申し上げます。

やはり問題になるとしたら価格だ。$249という推奨小売価格からすれば、3万円台を想定したくなる。Radeon RX 6500 XTが$199という価格であり、筆者は前回のレビューの考察で「もしRadeon RX 6500 XTが4万円程度で入手できるなら、悪くない選択肢だと思う」と書いたが、実際にはお値段は3万円台。中には3万円をきっている玄人志向のRD-RX6500XT-E4GB/SFなどもあり、価格性能比としてはかなり良好として良い。

ではGeForce RTX 3050は? というと、$249であるから4万円を切るか切らないかくらいの所を期待したくなるところであるが、いち早く製品を公開したGAINWARDのGeForce RTX 3050 Ghostの予想市場売価は税込みで\52,800。流石にこれはちょっと高すぎると言わざるを得ない。もう1万円位下げて市場投入してくれるのであれば筆者は無条件にお勧めしたいところだが、流石に5万円超えはちょっとお勧めしにくい。

ところがNVIDIAのサイトによれば、「\39,800より」となっており、実際には4万円切りを設定するベンダーもあるようだ(Photo16)。この辺りは発売後のレポートを待ちたいところである。

私事であるが、実は筆者の原稿書きマシンにはRadeon RX 570×2が入っている。何しろ7枚液晶が繋がっているので、GPUカード1枚ではカバーできないという理由によるもので、ただRadeon RX 570だから消費電力が高めである。それもあってRadeon Settingsで動作周波数をギリギリまで落とすとかいろいろ工夫をしているのだが、いい加減更新したいとは思っていた。ところがRadeon RX 6500 XTでは消費電力こそ下がるものの画面出力も2ポートに削減されてしまい、という事はウチの環境だと4枚挿す必要があるので流石に論外という事で却下。

で、GeForce RTX 3050には期待している。実際描画性能と消費電力には文句が無いので、その意味でも価格は頑張ってほしいところ。4万円をきるくらいで、しかも潤沢に製品が出てくることを真剣に期待している。