米ラスベガスで1月5日から始まる世界最大級のエレクトロニクスショー「CES」、2022年のパナソニックはオンライン中心で出展し、北米モデルを中心とする新製品やサービスを発表しました。ここでは日本上陸の期待も持てる、有機ELテレビの新フラグシップ「LZ2000」シリーズを紹介します。

  • 有機ELテレビ「LZ2000」。パナソニックが北米モデルの新フラグシップとして海外発表した

LZ2000シリーズは、55/65/77V型の3サイズで展開する、4K/HDR対応の有機ELテレビです。価格と発売時期は明らかになっていませんが、例年パナソニックがCESで発表したフラグシップモデルは、その年の前半には日本国内で“VIERA”シリーズとして発売されてきました。

同シリーズには、最新世代の映像エンジン「HCX Pro AI processor」を搭載。デジタル放送やインターネット動画など、コンテンツに合わせた高画質化処理を行います。また、既存の「JZ2000」シリーズ(2021年発売)も備える、AIによるディープラーニングを活用してシーンに合わせたベストな画質調整を行う「Auto AI」にも引き続き対応します。

3サイズ全機種で「Master OLED Pro」の思想に基づき、映像の中間輝度部分の階調再現性を高めています。HDR映像の明部の精度も従来機種と比べて飛躍を遂げたとのこと。画作りについては、「美女と野獣」や「ワンダーウーマン」、「ジュラシック・ワールド」といったハリウッド大作を手がけてきた映像スタジオ、Company3の創業者兼CEOであるステファン・ゾネンフェルド氏との協業により、エモーショナルな映像に仕上げています。

HDRの映像方式は、HDR10とHDR10+のほか、HLG、Dolby Vision、Dolby Vision IQなどを網羅。映画監督の意図通りの映像を楽しむ映像モード「Filmmaker Mode」も装備します。

テレビ本体には、複数のスピーカーシステムとフルデジタルアンプ「JENO Engine」によって構成し、テクニクスのエンジニアがチューニングしたサウンドシステムを内蔵。テレビ単体でDolby Atmos対応の没入感あふれる音声コンテンツを再現できます。また、テレビの音声をひとりで、あるいは家族と一緒に楽しむといった場面に応じて音の聞こえ方を最適化でき、Pinpoint/Area/Spotという3つのモードを切り換えられます。

ほかにも、ゲーミングモニターとしてLZ2000シリーズを使えるように、NVIDIAとの協業で開発した新機能「Game Control Board」を搭載しました。コンテンツ再生時に映像のフレームレートやHDRメタデータ、クロマサブサンプリングデータなどソースの情報を表示するオプションもあります。

Game Control Board機能で利用できるDark Visibility Enhancer(ダークビジビリティエンハンサー)は、映像の暗部を調整して陰に隠れる敵を発見しやすくするイコライジング機能です。また、HDR10のような静的HDR映像からもシーンごとに動的なHDRトーンマッピングを行い、より色彩や明暗の鮮やかさを引き出すHDRトーンマップ機能も含まれています。

ディスプレイのリフレッシュレートは最大4K/120Hz対応となり、HDMI 2.1の規格に含まれるHFR(High Frame Rate)やVRR(Variable Refresh Rate)による表示に対応します。合わせて、60Hzのゲームコンテンツを安定して滑らかに再現する、新たな「60Hz Refresh Mode」も搭載します。

このほか、LZ2000シリーズでは動画配信サービスを追加できるスマートプラットフォーム「My Home Screen 7.0」を採用しています。