エミライは、FiiO Electronicsの据え置き型DAC内蔵ヘッドホンアンプ「K9 Pro LTD」を12月10日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭価格は92,400円前後を見込む。完全限定生産品で、国内では数量限定モデルとして販売する。
長らく開発を続けていたという“FiiO渾身のフラッグシップ・ヘッドホンアンプ”。DAC部には希少となったAKM製の最上位DACチップ「AK4499EQ」を搭載し、最大384kHz/32bitのPCMとDSD256(11.2MHz)の再生に対応する。MQAレンダラー機能も備え、MQAコア・デコードに対応する機器と組み合わせて「レコーディングスタジオにいるようなマスター品質の音質で聴ける」とする。
最新世代のXMOSチップ「XUF208」を搭載し、USBとBluetoothのデコーディングに、44.1kHz系、48kHz系専用のフェムトクロックを使ったデュアルモードクロックマネジメント技術をサポート。精密なクロックマネジメントシステムにより、あらゆる種類のソースを容易に扱え、最大限の品質を確保できるとする。
デジタル入力としてUSB Type-CとUSB Bを各1基備え、USB-Cが優先されるという。光/同軸デジタル入力も装備。Bluetooth受信にも対応しており、クアルコムのBluetooth SoC「QCC5124」を搭載。LDACやaptX HD、aptX Adaptiveといった高音質コーデックをサポートする。また、BLE(Bluetooth Low Energy)対応により、Bluetoothモードでないときでもスマホアプリ「Fiio Control App」を使って各種設定が行える。
ヘッドホンアンプ部には、THXの特許技術を採用した「THX-AAA 788」回路をベースに、FiiOとTHXが共同開発した「THX AAA 788+」回路を採用。左右チャンネルに1基ずつ、計2基搭載している。
ヘッドホンアンプ回路は高音質にこだわった設計となっており、ローインピーダンス、またはハイインピーダンスのヘッドホンを使用している場合でも理想的なディテールとダイナミクスを追求。出力を50%以上強化しながら、放熱効率も向上させた。ハイインピーダンス負荷を駆動するときは最大46Vppのトランジェントを出力でき、ローインピーダンス負荷をプッシュする時は歪みのない2W(バランス出力時)まで出力するポテンシャルがあるという。
K9 Pro LTDはDAC部からアンプ部に至るまで完全バランス設計となっており、すべてのプロセスで差動信号を通過させることにより、異なるコンポーネント間の干渉を最小限に抑える。これにより「音楽のすべてのディテールと大きなダイナミクスを理想的に再現することができる」としている。
本体前面にXLR 4ピンと4.4mmのバランスヘッドホン出力と、6.3mmシングルエンドのヘッドホン出力を各1系統装備。左右チャンネルの音量バランスの不均等やノイズの発生を抑え、微細な音量調節を可能とするADCボリュームコントロールを搭載する。また、高感度イヤホンから低能率ヘッドホンまで最適な音量調整を可能にする、3段階のゲイン切り替え機能を装備。手持ちのヘッドホンに合わせてハイゲイン、ミディアムゲイン、ローゲインの3種類が選べる。
出力は、4.4mmバランスが16Ω負荷時1.1W以上。32Ωで2W以上、300Ωで1.1W以上。6.3mmアンバランスでは16Ω負荷時が1.1W以上。32Ωで2W以上、300Ωで278mW以上。周波数特性は、アンバランスライン出力/バランスライン出力/6.3mmアンバランス出力時が20Hz~20kHz(-3dB)、4.4mmバランス出力時が5Hz~50kHz(-3dB)。
低ノイズ・低歪を徹底したピュアな信号伝達を実現する基板分離レイアウトを採用。また、デジタル部とアナログ部の電源供給も完全分離し、低ノイズや高い安定性と耐久性を実現したセパレート設計電源回路を備えている。
本体はオールアルミニウム合金にブラックアルマイト処理とサンドブラスト加工を施しており、前面にボタンを配置。ボリュームノブはステンレススチール製で、周りを囲むRGBインジケーターライトが再生中のサンプリングレートに応じて異なる色で点灯する。
背面には上記のデジタル入力に加えて、4.4mmバランスとRCAアンバランスのアナログ入力、XLRバランスとRCAアンバランスのアナログ出力も備える。本体サイズは200×250×77mm(幅×奥行き×高さ/突起部含む)。重量は2,750g。AC電源ケーブル、USB-A to Bケーブル、6.3mm to 3.5mm変換アダプター、Bluetoothアンテナ、交換用ヒューズなどが付属する。