音声アシスタントの「Siri」。明日の天気など知りたい事柄を口頭で訊ねれば、内容を分析して的確な答えを返してくれる、いまやiPhoneを代表する機能のひとつです。
Siriの基本的なワークフローは、iPhoneに内蔵されたマイクで声を聞き取り、その波形データをクラウドへ送り分析し、回答を読み上げたりデータを表示したりなんらかのアクションを起こすようiPhoneへフィードバックする、という「iPhoneとクラウドの分業」です。だからインターネット接続は必須で、iPhone単体では機能しないことがSiriの前提でした。
しかし、iOS 15ではSiriがオフラインでも動作するようになりました。天気予報などインターネット上の情報を参照する質問/処理はムリですが、アラームやタイマーの設定、アプリの起動、音量調整などオーディオ関連機能についてはiPhone単体で処理できるようになったため、モバイル回線やWi-Fiが使えない状態でも、機内モードをオンにしていても利用できます。ビルの地下や山奥のキャンプ場でも、iPhoneにひと声かけるだけでいろいろな処理が可能になるというわけです。
使いかたは従来どおり、サイドボタンを長押しするか「ヘイ、シリ」と呼びかけてSiriを起動し、希望する処理を口頭で伝えます。アラームを作成するにしても音楽のボリュームを上げるにしても、ネットワークに接続していない状態で機能します。事前にデータをダウンロードするなどの作業は必要ありません。
ただし、Siriのオフライン利用に対応するiPhoneは、A12 Bionicを搭載したiPhone XS/XS Max/XR以降のモデルに限られます。対応モデルを利用しているのなら試してみては?