10月16日にオンラインにて高校生を対象にしたeスポーツ大会「NASEF JAPAN MAJOR Fortnite Tournament Autumn 2021」が開催されました。「NASEF JAPAN MAJOR」は、eスポーツを活用した教育や人材育成を支援する団体であるNASEF JAPANが主催する大会。今回が2回目の開催です。前回は2021年6月19日に開催しているので、約4カ月ぶりに実施されました。

  • 実況はeスポーツキャスターの平岩康佑氏、解説はShirs氏が担当

高校生向け大会は同一高校でチームを作る条件が多いですが、NASEF JAPAN MAJORは同一都道府県に通っている高校生であれば一緒にチームを組むことができます。中高生に人気の『Fortnite』を採用していることもあってか、第2回大会ながら、567校、473チーム、946名が参加しました。前回が133校、108チーム、216名だったので、4倍以上の規模に膨れ上がっています。

全国の各8ブロック(北信越、北海道・東北、中国、東海、九州・沖縄、四国、関東、近畿)にてオンライン予選を開催し、各ブロック予選を通過した5チーム、全40チームにて決勝大会が行われます。参加プラットフォームはPC、PS4/5、XBOX One/X/S、NintedoSwitchのマルチプラットフォームです。

  • 各ブロック5チームずつ、計40チームが本大会への出場しました

レギュレーションは、ゲームモードがデュオアリーナで、全3マッチ行い、合計獲得ポイントがもっとも多いチームが優勝です。ポイントは、各マッチの優勝となるビクトリーロイヤル(ビクロイ)が55ポイントで、25位の2ポイントまで細かく順位ポイントが設定されています。

相手を1人倒すごとに獲得できるエリミネートポイントは6ポイントと高く、ビクロイを獲得できずとも、できるだけ生き残り順位を上げ、相手を多く倒すことが高ポイント獲得の鍵となります。つまり、アグレッシブに攻め入りつつも、生き残りを狙っていかないといけないという、総合的に高い“Fortnite力”が求められるルールといえるでしょう。

  • 今大会のレギュレーション。1位と2位のポイント差はわずか6ポイント。エリミネートポイント1つで追いつくポイント差です。2位以下は1~3ポイント差なので、安定した上位入賞とエリミネートポイント稼ぎが重要となります

参加者には、夏に開催された高校生向けeスポーツ大会「STAGE:0」で活躍したRuisana選手をはじめ、高校生大会常連の選手も見かけました。

1マッチ目は、北信越ブロックの「ボイこん」がビクロイを獲得。4人の敵を倒し、エリモネートポイントも24ポイント稼ぎ、一気に79ポイントの高得点をたたき出します。しかし、惜しくも2位となった関東ブロックの「One For All」が「ボイこん」よりも1人多く倒し、エリミネートポイントを30ポイント獲得。ビクロイと2位の順位ポイント差はちょうど6ポイントなので、トータルスコアが79ポイントと同ポイントになりました。ちなみに「One For All」は先に紹介したRuisana選手のチームです。

  • ダメージを受け続けるストーム内の体力勝負で生き残った「ボイこん」灰の魔男ぼいす選手がビクロイを獲得

2マッチ目は、「One For All」がビクロイを獲得。エリミネートポイントも36ポイントと稼ぎまくり、1マッチ目を超える91ポイントを獲得。1、2マッチ総合獲得ポイントでは170ポイントと頭ひとつ抜けます。

2位は北信越ブロックのドンヨリーヌ。1マッチ目3位の好位置から2マッチ目もエリミネートポイント24ポイント、順位ポイント46を稼ぎ、安定した戦い振りを見せています。

5位までのポイント差は65ポイント。大差ではありますが、「One For All」が3マッチ目で試合開始早々に落とされてしまうと、逆転できてしまいます。「One For All」の絶対的優位は変わりませんが余裕があるとは言えない状況です。

  • 味方が倒され、不利な状況から敵を倒しきりビクロイを獲得とした「One For All」のRuisana選手

そんな状況のなか、3マッチ目を制したのも「One For All」。圧巻のエリミネートポイント72ポイントを稼ぎ出し、合計ポイントが127ポイントで優勝を決めました。

3連続ビクロイとはなりませんでしたが、総合ポイントではすべて1位を獲得する完封勝利。もはやruisana選手は超高校級と言えるのではないでしょうか。高校野球で言えば、清原、松井、松坂クラス。すでに多くのファンも獲得していますし、今後の活躍が楽しみです。

NASEFが関わっている「全国高校eスポーツ選手権」が冬に開催されますが、第4回となる今回から新たに『Fortnite』部門が新設されたので、もし参戦しているのであれば、その勇姿を直近に見られることになりそうです。

  • 2マッチ連続トップポイントを獲得しながら、守りに入らず、アグレッシブに攻める「One For All」。エリミネートポイントをガンガン稼ぎまくります。最後に残った3チームのなか、唯一チームメンバー2人とも生き残っている「One For All」が、その優位性を活かし、ビクロイを獲得しました

  • 総合結果。1マッチ100ポイント平均の高得点を稼いだ「One For All」が圧倒的な強さを見せて優勝しました

3マッチ終了後は、エキシビションマッチが行われました。エキシビションマッチはソロアリーナで行われますが、すべてのプレイヤーが敵になるのではなく、各予選のブロック単位でのチーム対抗戦。ただ、ゲームシステムとしては、ほかのプレイヤーはすべて敵の状態なので、同じチームメイトでも誤射により倒してしまう可能性もあります。

チャットなどを駆使してコミュニケーションを取ったり、仲間同士で固まって戦ったりと、いつもと違う作戦が必要でした。優勝したのは北信越ブロック。チームメイトが同じスキン(衣装)を身につけており、見た目に味方であることがわかる作戦で、ほかブロックのチームを圧倒しました。

  • 最後まで生き残った4人。すべて北信越ブロックの選手のため、この時点で北信越ブロックの優勝が確定しました

『Fortnite』は2017年にローンチされた、まだ歴史の浅いeスポーツタイトル。若年層から人気のあるタイトルで、すでに高校生大会に出場することを待ち望んでいる小学生や中学生も多いといいます。そのため、若いながらもプレイ歴が長い選手が今後続々と登場してくるでしょう。今後も高校生大会が『Fortnite』シーンを牽引していくのではないでしょうか。

「NASEF JAPAN MAJOR」は6月、10月と開催したので、このペースでいけば、次は2月あたりの開催。より一層ハイレベルな戦いが楽しめそうです。

  • 開会の挨拶と優勝チームへのお祝いメッセージのために登場したNASEF本部のケビン・ブラウン氏。通訳なしの流暢な日本語で挨拶をしていました