デロンギ・ジャパンは10月29日に全自動コーヒーマシンの最新モデル「デロンギ プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン(ECAM55085MS)」(以下、プリマドンナ クラス)を発売します。デロンギといえば、豆を挽いてコーヒー抽出するまで自動で行う「全自動コーヒーマシン」の世界トップシェアを獲得しているメーカー。今回のプリマドンナ クラスは国内最上位モデルとなります。気になる新製品をチェックしてきました。

  • デロンギ プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン(ECAM55085MS)

    デロンギ プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン(ECAM55085MS)

液晶画面が大型カラー化してより使いやすく

デロンギの全自動コーヒーマシンは、ボタンひとつで常に安定した美味しいコーヒーを抽出できるのが大きな特徴。現在、日本国内では9モデルをラインナップしています。新製品のプリマドンナ クラスは、これまでの最上位モデル「デロンギ エレッタ カプチーノ トップ 全自動コーヒーマシン(ECAM45760B)」のさらに上位モデルに位置するフラッグシップモデルとなります。

  • デロンギ、全自動コーヒーマシンのラインナップ

    デロンギの全自動コーヒーマシン、日本国内のラインナップ。プリマドンナ クラスは新たに追加された最上位モデル

  • デロンギ プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン(ECAM55085MS)

    デロンギの全自動コーヒーマシンは、共通で高コストなコーン型グラインダーを搭載。プリマドンナ クラスは本体上部に370gのコーヒー豆を入れておける大きな豆ホッパーを配置しています。赤い矢印のところからコーヒー粉も入れられます

  • デロンギ プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン(ECAM55085MS)

    プリマドンナ クラスの本体右脇には水タンク。水タンクも2Lとなかなか大容量です

  • デロンギ プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン(ECAM55085MS)

    「デロンギ プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン(ECAM55085MS)」とマイナビニュース・デジタルの林編集長。本体サイズは幅260×奥行き460×高さ360mmとちょっと大きめ

9モデルという豊富なラインナップですが、5万円台のエントリーモデルも20万円を超える最上位モデルも、コーヒーを淹れるための中核パーツは共通なんです。具体的には、豆を挽くグラインダー、マシンの心臓部となるコーヒー抽出ユニット。このため、抽出される基本的なコーヒーの味には、モデルによる違いがほぼありません。

モデル間のおもな違いは、本体デザインや操作性、ドリンクメニューの数など。とくに上位の4モデルは、フワフワのミルクメニューが自動で作れる「ラテクレマシステム」を搭載しているのがポイントです。カプチーノやカフェラテといったミルクメニューが好きな人には、お値段は高くなりますがラテクレマシステム搭載機を強くおすすめします。

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    カプチーノやカフェラテ用のフォームドミルクを自動で作れるラテクレマシステム。ユニットごと取り外せるので、残ったミルクはそのまま冷蔵庫で保存

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    ユニットを「フロッサー」に入れ替えることで手動でフォームドミルクを作ることも。リーフなどのラテアートを楽しみたいときに便利です

プリマドンナ クラスは最上位モデルということで、本体は高級感あるメタリックシルバー。さらに、液晶画面にはデロンギ・ジャパンの全自動コーヒーマシンとして初となる、カラー液晶パネルを採用しています。

  • デロンギ プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン(ECAM55085MS)

    液晶パネルのサイズも3.5インチと大型化。パネルの大型カラー化によって、メニュー選択などがかなりわかりやすくなりました。ただし液晶画面はタッチパネルではなく、液晶外側にあるタッチボタン(赤枠の中)で選ぶタイプ。本体価格を考えると、できれば直感的に操作できるタッチパネル液晶にしてほしかったところです

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    各ドリンクメニューにはイラストが添えられており、どんなメニューかが一目でわかります

3種類の新メニューを追加、お茶用に温度別の給湯機能も

プリマドンナ クラスはドリンクメニューも増えました。新メニューは、ストレートなコーヒーに「アメリカーノ」、ミルクメニューに「カプチーノ+」と「カプチーノMIX」です。さらに、給湯メニューとして75・80・85・90℃という4つの温度が選択できるようになりました。白茶や緑茶など、低温で抽出したいお茶にも使いやすくなっています。

実際に新メニューを試飲して、個人的に注目したのが「アメリカーノ」です。デロンギの全自動コーヒーマシンは、圧力をかけて抽出するエスプレッソベースのドリンクメニューが基本ですが、アメリカーノはこのエスプレッソをお湯で薄めて作るブラックコーヒーです。

デロンギの全自動コーヒーマシンは以前から「カフェ・ジャポーネ」という、日本人向けのブラックコーヒーメニューを搭載してきました。じっくりとコーヒー粉を蒸らすことで、エスプレッソなのにハンドドリップのような深みある味を再現したメニューです。新しいアメリカーノはカフェ・ジャポーネと同じブラックコーヒーですが、飲んでみると後味がよりサッパリとしていて、ゴクゴクと飲める味です(実際は熱いので無理ですが……)。

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    エスプレッソを抽出したあとに、お湯を注いでブラックコーヒーを作る新メニュー「アメリカーノ」

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    一見すると普通のコーヒーですが、エスプレッソベースなので表面にクレマ(泡)もあります。味は香り豊かなのにサッパリとしており、キレがある印象です

ミルクベースの新メニューで面白いのは「カプチーノMIX」。これまでモデルは、ミルクメニューをすべて「フォームドミルク」→「エスプレッソ」の順で注いでいました。このため、コーヒーとミルクが混ざらず美しい層になります。

新メニューのカプチーノMIXは、エスプレッソを先に注ぐことでミルクとコーヒーが混ざった状態で完成。従来メニューだと最初にミルクを強く感じ、後半になるほどコーヒーが強くなっていきますが、カプチーノMIXは泡までしっかりとコーヒーが混じっているので最初から最後までほどよくミルクとコーヒーのバランスが取れているのが特徴です。

【動画】カプチーノMIXを淹れました。エスプレッソ、ミルクという順で注ぎ、両者が混ざる様子に注目

  • デロンギ プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン(ECAM55085MS)

    左が新メニューの「カプチーノMIX」、右が従来と同じ「カプチーノ」。カプチーノMIXは泡までしっかりコーヒーが混じっているのがわかりますね

最後の新メニュー「カプチーノ+」は、ミルクに対して倍量のエスプレッソを抽出したカプチーノ。コーヒーをしっかり感じたいときにオススメのメニューです。

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    左が標準の「カプチーノ」、右が新メニュー「カプチーノ+」。カプチーノ+のコーヒー量が多いのは一目瞭然

  • すべての新メニューを試飲する林編集長。「アメリカーノはすっきりクリアな風味です。自分だったら仕事や読書のおともにして、コーヒーをゆっくり飲みたいときはカフェ・ジャポーネかレギュラーのエスプレッソかな。カプチーノMIXはおいしい! カフェラテに近いかも。そしてカプチーノ+は、前半はミルクの味わい、後半はコーヒーの味わいが一層はっきりします。これまでのカプチーノとカプチーノ+は本当に飲む人の好みですね」(林)

デロンギ全自動コーヒーマシン初のIoT対応に

プリマドンナ クラスは、デロンギの全自動コーヒーマシンとしては初めてスマートフォンとの連動機能を搭載しています。専用アプリ「De'Longhi COFFEE LINK」とプリマドンナ クラスを連動させ、スマホ画面のわかりやすいインタフェースで操作できます。

De'Longhi COFFEE LINKアプリでは、多くのメニューからドリンクを選んで抽出するほか、コーヒー抽出の湯量やミルク量といった細かな設定も。プリマドンナ クラスは最上位モデルだけあってドリンクメニューの数も多いので、スマホを使うと操作性がとても良くなります。

  • デロンギ プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン(ECAM55085MS)
  • デロンギ プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン(ECAM55085MS)
  • De'Longhi COFFEE LINKアプリはドリンクメニューが選びやすく、自分好みの味に調整するのも簡単

このほか、プリマドンナ クラスのみ新しい付帯サービス「Better Support」に対応しています。Better Supportでは、これまで1年間の保証だったのが5年保証に延長。さらに、通常は3日前後かかる修理サービスを、テクニカルセンターの到着日に修理して返却します。問い合わせ窓口には専用回線を用意し、デロンギ公認バリスタによるオンラインコーヒー講座が受講できます。

さまざまな点が進化したプリマドンナ クラスですが、基本的なコーヒーの味は既存モデルと大きく変わったようには感じません。もちろんそこがいいところでもあり、これまでも完成度が高かったということでしょう。

大きなカラー液晶画面になったこととスマホ連動で操作性はかなり良くなっています。ドリンクの種類が豊富なうえに味の調整機能もあるので、ユーザーインタフェースの良さは魅力的。また、個人的に気に入ったのは新メニューの「アメリカーノ」です。サッパリしていてすいすい飲めるので、在宅ワーク中にたくさんコーヒーを飲みたいようなとき、とくに魅力的なマシンではないでしょうか。