おうちカフェを充実させるため、手軽に導入できるドリップ式コーヒーメーカーや家電を紹介していく本連載。第1回では手軽さを重視し、美味しいコーヒーが楽しめる「DP3(ドリップポッド3)」を紹介しました。

DP3はUCCの専用カプセル「ドリップポッド」と市販のコーヒー粉が使えるコーヒーメーカー。カップに直接コーヒーを抽出できる利便性は魅力ですが、反面「一杯ずつしか抽出できない」というデメリットもあります。

  • タイガー魔法瓶のコーヒーマシン「ACT-E040」

    市販の豆だけでなくドリップポッド用カプセルも使えるタイガー魔法瓶「ACT-E040」

そこで、2回目となる今回は、一杯抽出はもちろん、専用サーバーで最大4杯までまとめてコーヒーを抽出できるタイガー魔法瓶のコーヒーメーカー「ACT-E040」(実売価格13,000円前後/編集部調べ)を紹介したいと思います。


★こんな人にオススメ
- コーヒーの「1杯ずつ」抽出も「まとめて」抽出もどっちもしたい
- 使用後のメンテナンスに手間をかけたくない
- 専用カプセル以外の市販コーヒーも飲みたい
- コーヒー粉の鮮度管理は面倒


専用カプセル・コーヒー粉・ドリップパックが使える3WAY方式

  • タイガー魔法瓶のコーヒーマシン「ACT-E040」
  • タイガー魔法瓶のコーヒーマシン「ACT-E040」
  • 本体サイズはW181×D279×H342mm、本体の重さは3.2kg(サーバー使用時)。曲線が印象的なデザインです

ACT-E040の最大の特徴ともいえるのが、3通りのコーヒー抽出方法が選べる点。抽出方法は、DP3と同じくUCCの専用カプセル「ドリップポッド」を使用したもの、市販のコーヒー粉を使ったレギュラードリップ、そしてドリップバッグの3種類です。

  • タイガー魔法瓶のコーヒーマシン「ACT-E040」

    3通りの抽出方法に対応するため、属品点数も多め。写真は左からドリップポッドに使う「ドリップポッドホルダー」、レギュラードリップに使う「フィルター」「散水板」

  • タイガー魔法瓶のコーヒーマシン「ACT-E040」

    どの抽出方法でも、最初に本体背面の水タンクに水を補充します。タンクはハンドルつきで取り外せるため、シンクで蛇口から直接水を補充可能。タンク満水時の容量は540ml(コーヒー約4杯分)と少なめ

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    カップを置く台は高さを変えられます。小さめの水筒ならそのままコーヒーを抽出できます

一番手軽にコーヒーが楽しめる方法は、なんといってもドリップポッド。これは、DP3と同じくUCCが手がけるコーヒー専用カプセル。詳しくは連載1回目で説明していますが、モカやマンデリン、ブルーマウンテンなどさまざまな種類の豆から選べます。

標準的な豆ならUCC公式サイト(カプセル定期便)で12個816円、一杯あたり約68円で購入できます。ドリップポッドを使う場合は、ACT-E040本体にドリップポッドホルダーをセットし、本体正面の「ドリップポッド」ボタンを押して水の量を70/140/180mLから選択するだけ。

ストレートコーヒーを楽しむなら140mL、アイスコーヒーやカフェオレなら濃いめに抽出する70mL、さっぱりしたアメリカンタイプをマグカップで飲むなら180mLがオススメです。

  • タイガー魔法瓶のコーヒーマシン「ACT-E040」

    ドリップポッド用ホルダーとカプセルを本体にセットしたところ。使用後はホルダーをサッと水洗いするだけ。後片付けまで手軽なのが専用カプセルの利点です

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    「ドリップポッド」ボタンをプッシュ後、湯量ボタンで湯量を選択

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    「グァテマラ&コロンビア」を抽出したところ。氷を入れたグラスに注げばアイスコーヒーも楽しめます。ドリップポッドを使用する場合は、基本的にカップに1杯ずつコーヒーを直接抽出します

ドリップバッグを自動で抽出

次に特徴的なのが、紙製のドリッパー・フィルターとコーヒー粉がセットで個包装されている、市販の「ドリップバッグ」が使えるところ。スーパーやコンビニでも手に入りますし、ネット通販でまとめ買いすれば1杯20円~30円前後(編集部調べ)で買えることもあり、コスパは良好です。

カップにドリップバッグをセットし、フィルターをセットした状態で「ドリップバッグ」ボタンと湯量を選べば、手軽にカップ1杯分のコーヒーを抽出できます。

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    カップにドリップバッグをセットし、ドリップバッグモードでお湯を注ぎます。指定量のお湯をただ注入するだけではなく、しっかりとコーヒー粉を蒸らしてから抽出するのが魅力

選択できる湯量は140と180mLの2種類。しっかり「蒸らし」の工程を経てお湯を注いでくれます。このため、1杯を淹れるのに約2~3分と少し時間がかかりますが、そのぶんコーヒーの旨みが前面に出た抽出になる印象です。

スタンダードなコーヒー粉にも対応

最後の抽出方法がレギュラーコーヒー。専用ドリッパーに紙フィルターと粉コーヒーをセットし、コーヒーの濃さ(マイルド/ストロング)をボタンで選んで抽出する、ある意味コーヒーメーカーとしては標準的な方法です。

ドリップポッドモードとドリップバッグモードはACT-E040本体のボタンで湯量を指定しますが、レギュラーコーヒーモードではタンク内の水をすべて使ってコーヒーを抽出。そのため、タンクに入れる水の量でコーヒーの抽出量や濃さを調整することになります。

  • タイガー魔法瓶のコーヒーマシン「ACT-E040」

    レギュラーコーヒーモードで抽出する場合は、水タンクの目盛りに合わせて水を補充。最大4杯までのコーヒーを一度に抽出可能です

  • タイガー魔法瓶のコーヒーマシン「ACT-E040」

    付属ドリッパーに市販の紙フィルターと粉コーヒーをセット。最後に散水板を乗せて準備完了です。味はマイルドかストロングの抽出方法と、お湯の量で調整します,

レギュラーコーヒーモードでユニークなのは、コーヒー粉を蒸らす工程でスチームを使うこと。蒸気でコーヒー粉全体を蒸らすため、お湯がなじみやすい状態になり、しっかりとコーヒー成分が抽出できるといいます。

  • タイガー魔法瓶のコーヒーマシン「ACT-E040」

    レギュラーコーヒーモードで抽出したコーヒーは、香りのクリアさが特徴的。味はストロングモードでも比較的サッパリした後味に抽出される印象。よくも悪くも万人受けする味だと感じます

レギュラーコーヒーモードでは、コーヒー1杯分を直接カップに注ぐことも、カップ2~4杯のコーヒーをまとめてドリップすることもできます。そして、まとめてドリップするときに活躍するのが付属のステンレスサーバー。真空断熱の魔法瓶構造なので、コーヒーを1~2時間ほど温かいまま楽しめます。

一般的なコーヒーメーカーはガラス製のサーバーが付属することが多いのですが、ガラスサーバーは保温性が低いため、抽出したコーヒーが冷えないように保温ヒーターを使ってコーヒーの適温をキープします。このため、長時間保温するとコーヒーが煮詰まって渋みや酸味が出やすいのが難点です。一方、ACT-E040のような保温サーバー方式なら、ヒーターを使わず長時間美味しく保温できるのがメリットです。

  • タイガー魔法瓶のコーヒーマシン「ACT-E040」

    付属するステンレス製まほうびんサーバー。タイガー魔法瓶の製品だけに、保温性能の高さはなかなかのもの

UCCの「DP3」とタイガー「ACT-E040」、どっちがおススメ?

今回のACT-E040と第1回のDP3は、どちらもUCCの専用カプセルと市販のコーヒー粉が使えます。そのため、どちらを購入すれば良いか迷う人もいるのではないでしょうか?

どちらの製品が自分にとって最適なのかは、ライフスタイルやコーヒーの好みによって異なりますが、選択ポイントは大きく2つ。

ひとつは自分が「コーヒーを2杯以上まとめて抽出したいのか」という点。そして、もうひとつが「コーヒーメーカーを置く場所」。ACT-E040はDP3よりも本体サイズが一回り大きいため、設置場所によってはDP3のほうが使いやすいと思います。

  • ACT-E040が大きさW181×D279×H342mmに対し、DP3はD290×W133×H224mm。並べてみるとサイズの違いがよく分かります

    ACT-E040(左)が大きさW181×D279×H342mmに対し、DP3(右)はW133×D290×H224mm。並べてみるとサイズの違いがよく分かります

このほか、ACT-E040はDP3と比較して「まとめて4杯まで一気に抽出」「ステンレス保温サーバーが付属」「抽出タイプの幅広さ」といったメリットがあります。

一方、DP3は湯温は3段階、湯量を7段階から選択可能。ACT-E040と比較すると、より細かくコーヒーの味を自分好みに調整できるのがメリット。特に、ドリップポッドで紅茶や日本茶を楽しみたい場合は、お茶にあわせて湯温が変えられるDP3を強くオススメします。

どちらの製品にも優れた部分があるため、自分が優先したい機能や条件を考えて製品を選択したいところです。

第1回と第2回ではコーヒーメーカーを紹介しましたが、次回はコーヒーのおともにぴったりのスイーツを手軽に作れるBRUNOのホットサンドメーカーを使ってみます。また、UCCのドリップポッド対応製品が続いたので、第4回では別のカプセル式マシンとして、アレンジコーヒーの楽しさが味わえるネスレのドルチェグストを取り上げる予定です。


ACT-E040の使い勝手まとめ

★メリット
- 魔法瓶サーバーで4杯までのコーヒーを美味しく保温
- 専用カプセル、粉、ドリップバッグが使用可能
- メンテナンスが比較的簡単
- お茶や日本茶も楽しめる

★デメリット
- 本体が少し大きめ
- 水タンク容量が小さめ
- カプセル式はランニングコストが一般的なコーヒー粉より高い
- お茶カプセル使用時に湯温が変更できない