米Appleが10月28日 (現地時間)に発表した同社2021年度第4四半期(2021年7月〜9月)決算は、売上高・純利益とも7〜9月期の過去最高を記録したが、半導体不足で供給が制約され売上高がアナリストの予想を下回った。

7〜9月期の売上高は前年同期比28.8%増の833億6000万ドル、純利益は同62.2%増の205億5100万ドルだった。希薄化後の1株あたり利益は1.24ドル。市場予想の平均は、売上高848億5000万ドル、1株利益1.24ドルだった。

4〜6月期決算発表時にAppleは半導体不足の影響がMac、iPadからiPhoneに広がる可能性を示しており、Tim Cook氏(CEO)によると、7〜9月期の半導体不足の影響は約60億ドルだった。Appleの現行ラインナップに対する需要は強く、供給の制約を受けていなかったら9月期の売上高は890億ドルを超えた。産業全体に広がる半導体不足の影響はアナリストの予想以上に深刻であり、Appleの売上高が予想に届かなかったことで警戒感がさらに強まった。

以下は7〜9月期の製品カテゴリー別の売上高(増減は前年同期比)。

  • iPhone:売上高388億6800万ドル (47%増)
  • Mac:売上高91億7800万ドル (1.6%増)
  • iPad:売上高82億5200万ドル (21.4%増)
  • ウェアラブル/Home/アクセサリ:売上高87億8500万ドル (11.5%増)
  • サービス:売上高182億7700万ドル (25.6%増)

iPhoneは、昨年のiPhone 12シリーズの発表が10月にずれ込み、今年は例年通り9月にiPhone新製品を発表したため47%増の大きな伸びになったが、アナリストの予想(415億1000万ドル)を下回った。Macは在宅学習や在宅ワークの需要で昨年の7〜9月期に過去最高の売上高を記録しており、その反動で今年の伸びが1.6%増と小さくなった。ウェアラブル/Home/アクセサリは11.5%増と二桁の伸びだが、過去5年間の成長ペースに比べると鈍化している。「Apple Watch Series 7」の発売日が10月15日になった影響が考えられ、10〜12月期の数字が注目される。

地域別では、iPhone 13シリーズの好調が報じられていた中国が売上高145億6300万ドルで前年同期比83.3%増。アメリカスは368億2000万ドルで同19.9%増。日本は59億9100万ドルで同19.3%増だった。