Sansanは8月31日、請求書関連業務に携わる1000名のビジネスパーソンを対象にした「電子帳簿保存法に関する意識調査」の結果を発表した。同調査によると、2022年1月に施行される改正・電子帳簿保存法について「改正内容まで理解している」との回答は8.8%と、認識が広まっていないことが判明した。

  • 91.2%が2022年1月後施行の「改正・電子帳簿保存法」を理解していない 出典:Sansan

2022年1月に施行される改正・電子帳簿保存法では、電子データで書類を受領した場合は、原則電子保存のみと定められたほか、紙で受領した場合に、申請なく電子保存することが認められた。

しかし今回の法改正により、電子データで受領した請求書を印刷し、紙で保存するという一般的な管理方法を行うことができなくなり、企業は、電子データで請求書を受領した際には電子データでの管理が求められる。

企業が、請求書を紙、電子媒体を混在して受領していることが多い中、これまでの紙での請求書管理から、電子データの管理も求められることとなり、業務負荷が大きくなることが予想される。

今回、「電子帳簿保存法が改正され、2022年1月に施行されることについて知っているかどうか」という問いに対し、最も多かった回答は「知らない(72.4%)」となり、19.8%も「知っているが、内容を理解していない」と回答しており、改正・電子帳簿保存法の施行まで残り4カ月となる中、9割以上が改正内容まで理解しきれていない現状が明らかとなった。

また、「改正内容まで理解している」「知っているが内容は理解していない」と答えた人(276名)を対象に、改正・電子帳簿保存法の施行に向けた対応を行っているかを聞いたところ、最も多かったのは「対応に向けて動いている(42.8%)」で、「対応している」と回答したのは17.8%だった。

  • 電子帳簿保存法の改正への対応 出典:Sansan

受け取る請求書の形式については、「紙の請求書と、PDFなど電子形式の請求書が混在している(54.7%)」が一番多く、「すべてが紙の請求書(39.9%)」、「すべてがPDFなど電子形式の請求書(5.4%)」と続いた。

  • 受け取る請求書の形式 出典:Sansan

また同調査では、紙と電子形式で混在している請求書を受け取っている人(547名)に、いずれかに統一して受け取ることができるかどうかについても質問。その結果、紙の請求書への統一では59.2%が「いいえ」と回答し、電子形式への請求書への統一では69.7%が「いいえ」と回答した。このことから、請求書の受け取り形式を統一すること自体が難しいという現状が判明した。

あと4カ月に迫った改正・電子帳簿保存法の理解度・対応率は低く、企業の対応は急務である。同調査結果より、請求書の受け取りにおいては、今後も紙と電子形式が混在することが想定される。

これまでのように、電子データで受領した請求書を紙で保存することができない中、改正・電子帳簿保存法に対応するためにも、自社にて電子データの管理体制を構築することや、クラウド請求書受領サービスなどの活用が推奨されるだろう。