Samsungは8月11日、スマートウォッチの新製品「Galaxy Watch4」シリーズを発表した。Googleと協業した新OSを採用しつつ、さらなる機能強化を図った。「Galaxy Watch4」と「Galaxy Watch4 Classic」の2モデルが用意され、グローバルでの発売は8月27日から。

  • デザインやOSが新しくなったGalaxy Watch4シリーズ

Galaxy Watchシリーズは、「世界で初めてモバイル心拍センサーと血中酸素トラッカーを搭載し、血圧、ECG(心電図)も搭載するなど、長年健康管理に力を入れてきた」とSamsung。

今回のGalaxy Watch4では、新たに3つの機能を備えた「Samsung BioActiveセンサー」搭載が見どころ。光学式の心拍センサー(PPG)、電子的な心拍センサー(ECG)、生体電気インピーダンスセンサー(BIA)という3つの機能が、1つのチップに統合されている。

  • 背面のセンサーが新しくなり、3つの機能を1つのセンサーに統合

新しいアルゴリズムを導入して精度アップを図り、体組成計として肉体を計測する機能も備えた。これによって、骨格筋の基礎代謝量、体水分量、体脂肪率などの情報を計測し、体重管理や筋肉の増強、代謝向上といったフィットネスの目標を詳細に組み立てられる。計測も手軽で、時計のセンサーに2本指をかざすだけ。計測時間も15秒程度。2,400のデータポイントを計測し、最大98%の精度を誇るという。

  • 体の内部を計測する体組成計の機能も搭載。指2本を使って簡単に測定できるようだ

従来モデルから引き続き、フィットネスの計測機能も搭載。ほかの人とグループで競う「グループチャレンジ」機能もあり、運動のモチベーション維持を狙う。

SamsungのスマートTVと連携し、消費カロリーや心拍数などフィットネスの状況を計測してテレビ画面に表示しつつ、トレーニングコンテンツも表示してトレーニングを補助。こうしたコンテンツはパートナーシップによって拡大していく考えだが、提供は一部の国に限定される。

睡眠管理機能も従来通り。これは2014年のモデルから提供されている機能だが、新たにいびきの検出機能を追加した。睡眠中の血中酸素濃度の連続測定にも対応する。睡眠スコアやアドバイスも改善されているという。

Wear OSとTizen OSが統合した新プラットフォーム

従来はTizen OSを搭載していたが、すでに発表されているとおり、Wear OSと統合された新たなプラットフォームを採用。Samsung Pay、SmartThing、BixbyといったSamsung製アプリへのアクセスも可能で、同様にGoogleアシスタントや他社アプリも使える。

デフォルトのコンパスアプリがGoogleマップと連動し、ルート案内をより正確に行えるようになっている。そのほか、例えばSpotifyアプリを使ってGalaxy Watch4から音楽コントロールしたり、Galaxy Watch4に音楽データをダウンロードしてオフラインで音楽を聴けるなど、多彩なアプリと機能を提供している。

  • シンプルなデザインのGalaxy Watch4

  • ヘッド周囲のベゼルが回転して各種操作ができるGalaxy Watch4 Classic

UI面では、Galaxyスマートフォンにも使われているOne UIを採用し、スマートフォンとシームレスな体験を目指したという。スマートフォン側で設定した情報は同期され、世界時計や通知オフの時間帯などがスマートフォンとGalaxy Watch4でシームレスに連携。スマートフォンにアプリをインストールしたときも、スマートウォッチ用アプリが存在すれば、自動でGalaxy Watch4側にもインストールされる。

時計の操作では、音声を使う、回転ベゼルを使う方法に加え、ジェスチャー操作にも対応。手首を2回上下すると電話を受信、手首を2度回すと着信の拒否や通知・アラームの停止、ノックを2回するように動かすと(ノックノックモーション)任意の機能を実行できる――といった具合だ。

最新のGalaxyスマートフォン、Galaxy Buds、Galaxy Tabを使っている場合、それぞれ自動的に接続を切り替えるAuto Switch機能を搭載。例えば、GalaxyスマートフォンとGalaxy Budsを接続していて、スマートフォンを置いてGalaxy Watch4とGalaxy Budsだけでジョギングに出かけた場合、Galaxy Budsの接続先が自動でGalaxy Watch4へと切り替わり、Galaxy Watch4に保存した音楽を聴くといった操作が可能だ。Galaxy Budsのバッテリー残量やノイズキャンセリングの設定も、Galaxy Watch4から行える。

ハードウェアもアップデート。Galaxy Watchとしては初めてとなる5nmプロセスのプロセッサーを搭載し、20%高速化。メモリは50%増量となる16GB。グラフィックス性能は10倍と、大幅に性能向上している。ディスプレイも高解像度化し、全体的にパフォーマンスが強化されているそうだ。

バッテリー寿命は最大40時間で、急速充電に対応しているため、30分の充電で10時間動作するという。満充電も2時間以内で完了する。eSIM対応モデルではLTE通信が可能なほか、Samsung Knoxによって内部データを保護してくれる。

Galaxy Watch4は、LTEモデル、Bluetoothモデル、ケースサイズ40mm・44mmという組み合わせが用意され、カラーはブラック、シルバー、グリーン(44mmのみ)、ピンクゴールド(44mmのみ)の4色。価格は249.99ドルから。

  • Galaxy Watch4は4色のカラー展開

  • バンドの組み合わせを変えることで、新たな雰囲気になる

一方のGalaxy Watch4 Classicは、Bluetooth、LTE、ケースサイズ42mm・46mmという組み合わせ。カラーはブラックとシルバーの2色。価格は349.99ドルから。

  • Galaxy Watch4 Classicは2色展開

  • ちなみにこれは、Thom Brown Editionのパッケージに含まれるGalaxy Watch4とGalaxy Watch4 Classic

  • バンドもオリジナル

モデル Galaxy Watch4 Galaxy Watch4 Classic
ディスプレイ 44mm:1.36インチ(450×450)
40mm:1.19インチ(396×396)
46mm:1.36インチ(450×450)
42mm:1.19インチ(396×396)
プロセッサー Exynos W920 Exynos W920
メモリ 1.5GB 1.5GB
ストレージ 16GB 16GB
サイズ 44mm:44.4×43.3×9.8mm
40mm:40.4×39.3×9.8mm
46mm:45.5×45.5×11.0mm
42mm:41.5×41.5×11.2mm
重さ 44mm:30.3g
40mm:25.9g
46mm:52g
42mm:46.5g
素材 アルミニウムケース ステンレススチール