東急建設は8月6日、建設現場において、ウェアラブルセンサーにより取得した体温データを解析して発症の兆しを検出する「熱中症予防管理システム」の実証実験を、都内の建設現場で開始した。

今回実証を行う熱中症予防管理システムは、装着したウェアラブルセンサーにより臍部(へその部分)の周辺温度のデータを連続して取得し解析することで、熱中症の兆しを検出するもの。その値を作業中の建設技能者や職長などの周囲の人にも情報送信し、休憩や給水を促し、熱中症を防ぐ。

同社はこれまで心拍や血流などのバイタルサインによるアプローチを試みてきたが、人間一人ひとりの身体は異なり、かつ常時作業を行う状況において熱中症の兆しを判断することは非常に困難だったという。

  • ウェアラブルセンサーを装着して作業を実施

今回のシステムでは、熱中症の予兆を判断する方法としての深部体温に着目。深部体温は、脳や内臓など身体の中心部分の温度を指し、今回の検出には、MEDITA社が開発中のウェアラブルセンサーを活用する。

同センサーは臍部周辺から深部体温の近似値データを連続して取得できるため、検出時に与える影響が少なく、作業従事者の身体的負担を軽減して実施することが可能だという。 熱中症予防管理システムでは、体温の上昇具合が急に変化するタイミングが、発症の判断点とし、通常時から連続して体温データを取得することで、異変の検知が可能になるという。

システムは臍部周辺の体温データを常時スマホとサーバに送信し、体温急上昇など異変が発生した場合アラートを送る作業従事者本人のほか、職長や元請社員にもアラート送信される。

同社は今回の実証データを元に、MEDITA 社と連携しながらセンサーやシステムの改良に役立て、より検出精度が高い熱中症予防管理システムの構築を目指す。