続いてトークセッションとして、IIJの辻久司氏により、IIJmioの「ギガプラン」についての裏話の紹介が行われた。 

  • IIJmio meetingでは電気通信事業法などの解説に加え、端末調達関連の話でも登場する機会の多い辻氏。今日はギガプランの裏話が中心ながら、端末紹介は忘れない

ギガプランは4月に基本的な機能の提供が始まり、6月からは5Gやデータ通信容量のシェアなどの追加機能が投入され、本格的なサービスとしての体裁が整った。ギガプラン専用のアプリも6月投入が予定されていたが、開発が遅れており、IIJmio meeting #30の開催時点では未公開のままとなっている(その後「My IIJmio」として7月15日に公開されたが、不具合があり、7月16日に公開を停止している)。

辻氏によると、ギガプランのこだわりポイントとして「ワンプランが流行だが、IIJmioはあえて5プラン用意」「SIMの種類も全種類用意」「価格にこだわり。eSIMや追加データ容量の料金も頑張った」の3つが挙げられるとのこと。特にeSIMの料金設定に関しては「やりすぎた」というほど、ギリギリの低料金を設定していると吐露する。この辺りは効率よりも「欲しい機能を商品化する」というIIJらしさがにじみ出ていると評価していいだろう。

ギガプランでは、容量のシェア機能がアップデートしており、最大10回線の総容量を合計した中から容量をシェアできるようになっている。回線同士のグループ化も可能で、スマホ同士、スマホとPC、スマホとスマートデバイスなど、さまざまな組み合わせでの容量シェアが可能だ。

  • SIMを10枚持っている人なんているのか……と思ったが、IIJmioのユーザーなら10%くらいいても不思議ではないかもしれない

もっとも、辻氏がこうした使い方を記者発表会での発表資料に入れようとしたところ、「こんな使いかたする人はいない」と、ボツになってしまったとのこと。マニアックなユーザーが集うIIJmio meetingだけに、「絶対この中にこういう使い方している人いらっしゃいますよね?」と、TwitterやYoutubeのIIJmioチャンネルでの捲土重来を期していた。

また、ギガプランではシェア機能を使っていなくても、同一契約の中であれば、容量のプレゼントが可能になっている。発表資料では「子供の容量が足りなくなったら親の回線からプレゼント」というような表現になっているが、辻氏としては、これまでファミリーシェアプランを使っていて、子供が使いすぎだったので、ギガプランでは両親の回線はシェアするも、子供の回線はシェア対象にせず、子供の回線の容量が足りなくなったときに恩着せがましくプレゼントする機能、というイメージだったらしい。当然のようにこのスタイルの資料も「こんな父親嫌だ……」とボツを食らったとのことだが、同じく子持ちの身として、「いや、案外この使い分けは正しい方向性なのでは?」と思えるものがあった。

  • 子供の使い過ぎを戒めるとともに、親の威厳を知らしめるという一石二鳥のプラン。いいと思うんですが

5Gについても、eSIMを除くほぼすべてのプランで、無料オプションとして利用できるが、まだまだエリアは狭く、対応端末も限られており、実用面で4Gとの違いを体感できる機会は少ない。だが対応エリアに行けば「5G」とアンテナピクトに表示されるので、「この表示に未来を感じてほしい」……という資料を作成したが、これもあえなくボツを食らったとのこと。

  • 5Gの表示だけでご飯3杯はイケるという方、案外多いんじゃないでしょうか

全体的にギガプランの裏話というか、辻氏のネタスライドボツ話3連発、という感じのセッションであった。とはいえ、SIMのグループ化や、シェアを使わずプレゼントを使うことで容量の使いすぎを制限するなど、実際の使い方の上でも参考になるセッションだった。