• ERGO K860。本体はホームポジションの中心が盛り上がった形で、左右のキーは分割され曲線状に置かれている

ロジクールから7月19日、ロジクールブランド初をうたうエルゴノミックキーボード「ERGO K860 エルゴノミック スプリット キーボード」(ERGO K860)が国内発表されました。ロジクールでは以前から「MX ERGO」や「MX Vertical」など、人間工学を基にデザインした、体への負担が少ない周辺機器シリーズを展開していますが、この「ERGO」シリーズへ新たに分割型キーボードが加わった形になります。

ERGO K860は本体中央が盛り上がり、自然な手の角度をサポートする形で左右のキーが分割されている特徴的なデザインです。直販価格は16,940円。国内ではMicrosoftやケンジントンなどが同種の分割キーボードを出しています。今回登場したERGO K860、写真で実機を見ていきましょう。

ERGO K860の概要

  • キー構造:パンタグラフ
  • キーレイアウト:115キー日本語配列
  • キーピッチ:18mm
  • キーストローク:1.8mm
  • 電源:単4形乾電池×2
  • 本体サイズ:456×233×48mm
  • 重さ:1,160g
  • ERGO K860の正面。本体は上部のロゴ部分がカーブを描くデザインで、パームレストが一体化している。パームレストのない従来のロジクール製キーボードと比べて手首の曲げを25%軽減しつつ、54%高い手首サポートをするとのこと

  • パームレストは固めの弾力があり、適度な反発力で手首をサポート。底面に形状記憶素材、中段に高反発素材、1番上に耐久性に優れたファブリック素材を配置した3層構造で、表面は若干ざらつきのあるビニールのような感触だ。水を弾くわけではないが、多少の水濡れならすぐに乾く

  • カーブの盛り上がり具合。中央部は床から12度で山型に盛り上がっている

  • 横から見たところ。底面も同じ角度で盛り上がり全体がウェーブを描いている

  • 左右のキーは25度の角度で分割されている。スペースキーも手や指の位置に合うよう分割して配置(スペースキーへの機能割当はできない)

  • 本体の裏面。上側がファンクションキー側、下側がパームレスト側となり、スタンドがパームレスト側に付いている。スタンドを立てて打鍵する際は、ファンクションキー側が低くなり、パームレスト側が高くなる

  • スタンドの高さは0度(スタンドなし)、-4度、-7度の3段階で調節可能だ

  • ERGO K860(左)と、ロジクールのゲーミングキーボード「G513」(右)で手を置いてみたところを上から撮影。G513のほうは手首が内側にひねられているのがわかる

  • ERGO K860(左)と、ロジクールのゲーミングキーボード「G513」(右)で手を置いてみたところを手前側から撮影。ERGO K860はパームレストに高さがあり腕から手が比較的まっすぐ伸びているのに対し、G513は手首がやや外向きに曲げられている

  • 最大3台のデバイスに同時にワイヤレス接続でき、右上部にあるEasy-Switchボタンで接続先を切り替えられる。Back SpaceとDeleteキーはやや離れた場所に配置。Backspaceの上には単独のPrint Screenキーが置かれている

  • キーやアプリの割当はファンクションキーなど最上段の主なキーで行える。設定はPC用ユーティリティ「Logicool Options」を使う

  • キーボードのパームレスト裏の左右に配置されたスタンド。左が閉じた状態、中央が-4度の小さなスタンドを立てた状態、右が-7度の大きなスタンドを立てた状態

  • スタンドの角度を横から見たところ。左が閉じた状態、中央が-4度の小さなスタンドを立てた状態、右が-7度の大きなスタンドを立てた状態。-7度のスタンドを立てた場合、床から最大6cmほどパームレストが持ち上がる

  • 電源は単4形乾電池2本で、最大2年間の使用が可能とのこと。ERGO K860はバックライトを内蔵せず消費電力が少ないため内蔵の大型バッテリーを備える必要がなく、単4形乾電池の採用に至ったという

短時間ながらERGO K860を試したところ、確かに「打ちやすさ」を感じます。打鍵の心地よさというよりは、おそらく姿勢の部分で妙に疲れない……という状態。本体の山の部分を左右の手で包み込むような姿勢で打鍵しますが、大きく高さもあるパームレストが手首を自然な角度に保ち、山型のデザインで手首を内側に曲げなくても打鍵できるようになっています。やや“いかつく”見えてしまいますが、スペースが許すならパームレスト下のスタンドを立てたほうがより負担を感じずに入力できそうです。

スイッチ構造は一般的なノートPCでも使われることの多いパンタグラフで、軽いタッチのタイピング。メカニカルスイッチのような押し込みの深さはありませんが、キーエリアも広く本体も大きめなので、ストローク1.8mmという程よい浅さが合っていると感じました(押し込み感は数値以上に深く感じます)。

反面、本体サイズの大きさ(幅456mm)は狭いデスクに置きにくく、ネックになりそうなポイント。合わせて曲線的なキー配置やキーエリアの広さは、例えばホームポジションに手を置いた状態でも届きにくいキー(右手の小指担当キーなど)があり、ある程度の慣れも必要そうです。

発売日は8月19日。直販サイトのほか量販店での販売も予定されているため、気になるかたは展示機を触ってみることをおすすめします。