セールスフォース・ドットコムは7月15日、CRMプラットフォーム「Salesforce」にデジタルテレフォニーを組み込むための新機能「Service Cloud Voice」を日本市場で提供開始した。

同機能の最大の特徴は、Amazon Web Services(AWS)が提供するコンタクトセンターサービス「Amazon Connect」がバンドルされている点。両社は2016年から提携関係にあるが、両社の製品がパッケージとして提供されるのはこれが初めて。これまでセールスフォースのサービスでAmazon Connectを利用するにはコネクタを利用する必要があったという。、

Service Cloud Voiceでは、デジタルチャネルやCRMデータに加えて、電話による音声での問い合わせがエージェント向けに1つのビューにまとめられている。担当者の画面にはリアルタイムでコール内容やAIによって推奨されるアクションが表示される。Service Cloud Voiceと既存の電話システムを連携することで、電話対応を行うエージェントと各種デジタルチャネルを統合して、パーソナライズされたce」にデジタルテレフォニーを組み込むための新機能「Ser顧客体験を提供できる。

  • 「Service Cloud Voice」エージェント視点から見た画面

  • 「Service Cloud Voice」スーパーバイザー視点から見た画面

セールスフォース・ドットコム 執行役員 ソリューション営業本部 本部長の湯浅雅達氏は、国内のコンタクトセンターがCOVID-19によって多大な影響を受けた一方、コンタクトセンターの運用は企業に高い負荷をもたらしていたと指摘した。

  • セールスフォース・ドットコム 執行役員 ソリューション営業本部 本部長 湯浅雅達氏

湯浅氏はCOVID-19による影響として、「AI活用による業務効率化」「音声基盤システムのクラウド化」「在宅勤務体制への関心の高まり」を挙げた。また、コンタクトセンターの運用に伴う負荷としては、音声基盤の構築に時間がかかること、音声認識とAIの実用化に時間とコストがかかることがある。湯浅氏は、こうした課題を解決するため「Service Cloud Voice」をリリースしたと語った。

「Service Cloud Voice」は、AWSのAIとセールスフォースのAIが組み込まれている。湯浅氏は、「Service Cloud Voiceの最大のポイントは、AIによって、音声通話の内容をテキストとしてリアルタイムで利用できる点。スーパーバイザーはテキストを使うことで問い合わせの内容を確認しやすくなり、データ分析が行える。Amazon Connectと統合されたことで、Amazonでの書籍の購入と同じくらい簡単に顧客管理/CTI/音声認識/AIを活用できるようになる」と語った。

  • 「Service Cloud Voice」の主要機能

また、アマゾン ウェブ サービス ジャパン パートナーアライアンス統括本部 ISVパートナー本部 本部長 阿部泰久氏は、「われわれっは従来のコンタクトセンターのソリューションの課題を踏まえ、最適なソリューションを自社で開発し、運用してきた。Amazon Connectは100%クラウドでできているため、継続的な成長が見込め、簡単かつ短期間でコンタクトセンターを構築できる」と語った。

実際、Amazon Connectはローンチから3年で147以上の機能が追加されているという。阿部氏はAmazon Connectの導入効果として、他のCaaSソリューションと比べたAmazon ConnectのROIが241%に上ると語った。

  • アマゾン ウェブ サービス ジャパン パートナーアライアンス統括本部 ISVパートナー本部 本部長 阿部泰久氏

Service Cloud Voiceを利用するには、Service CloudとService Cloud Voiceのライセンスが必要。Service Cloudの利用料金は1ユーザー当たり月額1万9800円から、Service Cloud Voiceの利用料金は6600円から。