ファーウェイ・ジャパンが、ノートPCやタブレット、スマートウォッチなどを一斉に発表しました。日本ではファーウェイ初となるディスプレイの3製品も投入。デザイン性の高いハイエンドディスプレイ「HUAWEI MateView」、ゲーミング向けの34インチワイドカーブディスプレイ「HUAWEI MateView GT」、エントリーモデル「HUAWEI Display 23.8"」が発表されています。発売日と店頭予想価格は以下の通りです。

  • HUAWEI MateView:8月20日、89,800円
  • HUAWEI MateView GT:9月10日、65,800円
  • HUAWEI Display 23.8":7月23日、19,980円

HUAWEI MateView

MateViewは、シンプルでミニマルな、美しいデザインが特徴のディスプレイです。画面サイズは28.2インチ、解像度は4K+(3,840×2,560ドット)でHDR対応と表示性能は高く、DCI-P3比で98%という広色域と10bit(10.7億色)の色表現に対応しています。

  • HUAWEI MateView。28.2インチという中途半端なサイズなのは、16:9ディスプレイに比べて縦方向に長い3:2のアスペクト比だから

上部と両サイドのベゼル幅が6mmと細く、画面占有率は約94%。ノートPCのMateBookシリーズのようなフルビューディスプレイが特徴です。

単体の液晶ディスプレイでアスペクト比が3:2というのも珍しく、一般的な16:9ディスプレイに比べて縦方向に長く、約18.5%広くなっているそうです。映像視聴では上下に黒帯が出ることが多くなりますが、普段の作業はWeb閲覧やオフィスアプリ、画像編集といった使い方であれば、むしろこちらのほうが便利そうです。

また、ディスプレイ位置を上下に移動させたり、チルト角を変更することもできますが、それが指一本で軽く動くいうのは使いやすい仕様。実際に、指一本で動かしても本体が浮き上がったりせず、簡単に動かせました。

  • 独特のヒンジ部によって気軽に上下やチルトの動きを実現。回転(ピボット)できるとなお良かったのですが、縦位置には非対応です

ディスプレイ下部にOSDメニュー用のタッチバーがあり、軽く触れるだけでOSDメニューを呼び出して操作できます。1本指でスライドすると音量調整、2本指スライドで入力切り替えといったように、分かりやすい&使いやすい操作性です。

  • ディスプレイ底部をのぞき込むとタッチバーが。反応も良く、操作が簡単

スタンド部には5Wのデュアルスピーカーを内蔵。4mまでの距離をカバーするデュアルマイクも搭載していて、ヘッドホンなしでテレワークのオンライン会議ができそうです。その点では、カメラが非搭載なのは少し残念かもしれません。

  • メッシュ部分にスピーカーを内蔵。スタンド部にはNFCも搭載

NFCも内蔵しており、ファーウェイ製スマートフォンをタッチするだけで、ミラキャストによるスマートフォン画面のワイヤレス投影が可能。遅延も少なく、いろいろと応用できそうです。タッチによる接続はファーウェイ製スマートフォンのみですが、ミラキャストでのワイヤレス投影自体は他社のスマートフォンでも可能です。

  • ファーウェイ製のスマートフォンなら、タッチするだけでディスプレイにスマートフォン画面を表示できます。PCライクなUIで表示するだけでなく、スマートフォン画面のミラーリングも可能で、遅延も少なく実用的でした

電源はUSB Type-Cで、ハブ機能も備えています。もちろん、PCとの接続はUSB Type-Cケーブル1本で、PCへの給電にも対応しています。

  • 背面のインタフェース。ケーブルの取り回しがもう少しスッキリしているとなお良かったかもしれません

ディスプレイの品質、デザイン性、使いやすさなど、完成度の高いディスプレイです。価格的にもハイエンドですが、1台欲しくなる製品です。

HUAWEI MateView GT

ゲーミング向けのHUAWEI MateView GTは、横長でわずかにカーブしたワイドカーブディスプレイです。サイズは34インチでアスペクト比は21:9。eスポーツやゲーミング市場の拡大で同様のディスプレイは増えており、ファーウェイもそれを狙って投入したのでしょう。リフレッシュレートは165Hz、応答総度は4msとなっています。

  • HUAWEI MateView GT。カーブディスプレイは没入感が高まるので、ゲームや動画の視聴に向いています

ディスプレイの解像度は3,440×1,440ドットのWQHDで、DCI-P3で90%をカバーする広色域。色数は10bit(10.7億色)対応です。コントラスト比は4000:1、ΔE値は2未満と高い色再現性も実現しています。

  • レースゲームの映像も滑らか

スタンドにサウンドバーを一体化させた設計で、5Wのステレオスピーカーを搭載しています。サウンドバーには音量に合わせて点灯する「マルチカラーFXディスプレイ」も搭載。ゲーミング製品らしい光のエフェクトを見せてくれます。

  • スタンドと一体化したサウンドバーには、マルチカラーFXディスプレイも

HUAWEI MateViewと同様にデュアルマイクも内蔵しており、最大4mの距離からでも音声をクリアに拾うとしています。音質は確認できていませんが、ある程度のクオリティがあるなら、オンライン会議やゲーム実況などで気軽に活用できそうです。

インタフェースはUSB Type-C、HDMI、DisplayPortなど。必要なポートは配置されており、PCをUSB Type-Cケーブル1本でつないで映像出力と充電が同時にできます。

  • スッキリした背面のカバーを取り外すと各種インタフェースが。カバーはマグネットで付け外しがしやすいのもいい感じです

ゲーマーでなくても、ワイドカーブディスプレイには多くのメリットがあります。画面を広々と使えて、複数のウィンドウを並べた作業もしやすいので、テレワークで自宅作業が多い人にも適しています。マイク、スピーカー内蔵という点も便利でしょう(置き場所の問題はありそうですが)。

HUAWEI Display 23.8"

HUAWEI Display 23.8"は、エントリーモデルとして2万円を切る価格を実現したモデル。フルHDの解像度、NTSC比72%の色域、1000:1のコントラスト比といったスペックは、値段を考えれば十分でしょう。最小5.7mmのベゼル幅で画面占有率が90%という点は、本体サイズがコンパクトになって見た目も良くなります。

  • シンプルなエントリーレベルのディスプレイHUAWEI Display 23.8"

全体的にスッキリとしたデザインを含めて、一見して安っぽさのないデザインは良好。テレワーク用にディスプレイを1つ追加したい、といったニーズにも良さそうです。

  • 背面のインタフェースはVGA、HDMI、電源。VESAマウントにも対応