日本空港ビルデングは6月10日、自動運転・自動停止機能を搭載したパーソナルモビリティ(WHILL自動運転システム)運行サービスの導入を開始すると発表した。これに合わせて同21日に、メディア説明会を開催した。導入場所は羽田空港国内線第1・第2ターミナル出発ゲートラウンジ全域。

  • 自動運転により移動するパーソナルモビリティの様子

同取り組みは、自動運転機能を搭載したパーソナルモビリティの活用によって、空港利用者がストレスフリーな移動が可能になることを目的としている。高齢者だけでなく、障害の有無や年齢にかかわらずだれでも無料で利用可能とのこと。また、空港係員との接触を回避することによって、新型コロナウイルスなどの感染リスク低減も狙う。

パーソナルモビリティ利用者は、手元のタッチパネルで目的地のゲートを選択するだけで、搭乗口まで自動運転での移動ができるようになる。また、利用終了後は無人運転により待機場所まで戻ってくる設定になっている。現在までに第1・第2ターミナルそれぞれの一部でサービスが提供されており、今後は順次利用可能区域が拡大される予定。

  • 手前:無人での自動運転 奥:有人での自動運転

自動運転時の速度は2.5km/時とのこと。速度の設定は、パーソナルモビリティ利用者と歩行者の双方に安心感を与えられる速度を検討したという。また、衝突回避装置を備えているため、パーソナルモビリティ本体に搭載されたセンサーが対象物や人を検知した場合には自動で停止する。

同社の事業開発推進本部 事業開発部 事業開発課長 倉富裕氏は会見で「ターミナルの効率的な運用、空港で働くすべての従業員の負担軽減、お客様への新たな価値提供に積極的に取り組んでいく。日本発の素晴らしい技術や製品を、羽田を舞台にして実証実験し、社会実装して世の中に広げていけることに価値があると思う」とコメントした。

  • 日本空港ビルデング事業開発推進本部 事業開発部 事業開発課長 倉富裕氏