ローランドは、動画ストリーミングに必要な映像/音声出力を備え、合成機能や本番中の操作の負担を軽減する自動化機能などを搭載したコンパクトサイズのビデオスイッチャー「V-160HD」を、2021年7月下旬に発売する。市場想定価格は800,000円前後。

  • ポータブルサイズのビデオスイッチャー「V-160HD」

今回発売となる「V-160HD」は16の映像入力/7の映像出力に対応するコンパクトサイズのビデオスイッチャー。動画ストリーミングとイベント会場に設置した大型モニター/スクリーンにそれぞれ適したフルHDの映像を出力できる。

入力はHDMIに加え、業務用カメラで採用されているSDI入出力に対応(それぞれ8系統で入力は計16系統)。4つのHDMI入力にはスケーラーが内蔵されており、パソコンやタブレット、スマートフォン、ゲーム機など、解像度や縦横比が異なる機器との接続も問題なく行える。さらに、すべての入力に異なる映像信号を接続してもシームレスに切り替えができるフレームレート・コンバーターを搭載している。

また、Zoom、Microsoft Teams、YouTube、Facebook LiveなどのWebサービスを利用して、動画配信が簡単に行えるよう、映像と音声をコンピューターに出力する「USB-C」出力を装備。出力はこのUSB-Cと、HDMI3系統、SDI3系統の計7系統となっている。出力先に応じた画面設定が可能で、例えばPROGRAM出力はライブ配信用に、ステージ上のLEDスクリーンや会場送り出しにはSUB PROGRAM出力、演者確認用にはAUXを出力し、運営確認用マルチビューもすべて本体で管理できる。

煩雑になりがちな操作を事前に記録して自動化でき、本番での失敗を回避できる機能も搭載する。「プリセット・メモリー」では、画面構成や音声設定をあらかじめ登録でき、本体操作の流れを記録する「マクロ」は、ボタンひとつですぐに呼び出せる。例えば、PinP(ピクチャー・イン・ピクチャー)の子画面の位置やサイズなどをあらかじめプリセット・メモリーに登録するといったことや、「字幕のオン/オフ」「映像の切り替え」「リモート・カメラの位置変更」など、手順の多い操作も一連の操作としてひとつのマクロにまとめておいて、本番で呼び出すといったことができる。プリセット・メモリーとマクロを組み合わせて使える「シーケンサー」は、イベントの進行に合わせて「NEXT」ボタンを押すだけでプリセット・メモリーとマクロの記録内容を実行してくれる。これらの機能により、オペレーションに関わる人数が少なくても、配信含めた現場の作業にあたれるようになる。

オーディオについては、デジタルオーディオミキサーを内蔵し、音響機器からの有線接続に加え、Bluetooth接続したデバイスからワイヤレスでの入力も可能。音声調整はもちろん、音声を感知して自動で音量の調整を行う「オート・ミキシング機能」も搭載しており、これもまた操作の煩雑さを低減するのに一役買っている。

PTZ(パンチルトズーム)カメラの操作も可能で、LAN経由で接続されたPTZカメラを最大16台まで制御できる。国内外の主要メーカー製PTZカメラに対応しており、手持ちのPTZカメラと新規導入のカメラを混在させて使用するのもOKだ。

サイズはW437×H103×D253mm。質量は3.9kg(ACアダプターを除く)。ACアダプター、電源コード、ラックマウントアングル×2、ラックマウントアングル固定用ネジ×6などが付属する。