Googleは5月18日(米国時間)、Google I/O 2021(5月18日〜20日)で、同社のスマートウォッチ向けプラットフォームの「Wear OS」と、Samsungの「Tizen」プラットフォームを統合すると発表した。互いの長所を取り入れることでパフォーマンスと効率性が向上、より豊かなエコシステムを構築でき、対応アプリやサービスが増加すると期待している。

  • Wear OSとTizenを統合

    プラットフォーム統合によって、パフォーマンスが向上、より長いバッテリー動作時間が可能になり、開発者コミュニティが活性化するとアピール

AndroidベースのWear OSとLinuxベースのTizenの親和性は高く、GoogleとSamsungは統合プラットフォームの開発において、ハードウェア性能を存分に引き出せるようにOSの低いレイヤから最適化を進めた。その結果、最新のウェアラブル向けSoCを搭載したスマートウォッチでアプリの起動が30%速くなり、ユーザーインターフェイスのアニメーションやモーションがスムースに動作する。また、より長いバッテリー動作が可能になり、心拍センサーによる継続的な計測や睡眠トラッキングといった今日のスマートウォッチに求められる健康管理ツールをより便利に利用できる。UX(ユーザー体験)についても、前に使用していたアプリへの切り替えなど重要な機能のショートカットにどこからでもアクセスできるなど、タスク管理を容易にするようにナビゲーションを見直した。

エコシステムがWear OSの大きな強みであり、新OSでもスマートウォッチメーカーが統合プラットフォームの上で、独自にカスタマイズしたUXを提供できる。Wiredによると、SamsungはGalaxy WatchをTizenから統合OSに移行させるが、特徴である回転ベゼルを引き続き採用する。統合によってユーザーは、1つのエコシステムでより多くのデバイス、様々な体験を選択できるようになる。

Googleは、Googleマップ、Googleアシスタント、Google Payを新OS向けに刷新。新たに26カ国でGoogle Payの提供を開始し、計37カ国で利用できるようにする。対応するYouTube Musicアプリも計画しており、スマートダウンロードなどウェアラブルで音楽を楽しむための機能を実装するとしている。 また、Google傘下のFitbitも健康とフィットネス向けの専門知識と経験を活かして、新OSを活かした機能やサービス、搭載デバイスを開発する。

アプリ開発者は、引き続きAndroid向けに普及しているツールを使ってアプリを開発できる。新しいTiles API、Samsungによるウォッチフェイスデザインビルダーなど、統合によって開発環境がさらに充実し、「ウェアラブルで新しい体験を開発するのに最適な環境を提供します」としている。