ゲーミングキーボード、使っていますか? PCゲームをするにあたって高い性能のPCや高性能ディスプレイ、操作しやすいマウス、聴こえやすいオーディオデバイスを購入することはあっても、キーボードは手つかずになっているゲーマーも多いのでは。筆者もそんな一人で、PCゲームをプレイするにあたってごく一般的な「FILCO Majestouch2 Tenkeyless S(赤軸)」を使っています。それではもったいないですよ! とASUS JAPANのご厚意で最新ゲーミングキーボードを試用する機会に恵まれたので、今回は「ROG Strix Scope RX」の体験レポートをお送りします。

  • ROG Strix Scope RX

    キーボードが光るとカッコいいぜ 「ROG Strix Scope RX」レビュー 実売価格は13,000円前後です

さっそく外観とレイアウトからチェックしていきましょう。テンキー付きのフルキーボードなので、キーレイアウトは一般的。キーピッチもゆったりとしており、慣れも必要なくいつもの感覚でサクサク文字入力を行えます。上部のファンクションキーはF5~F11キーに再生/一時停止、音量調整などのメディアコントロール機能がアサインされており、とても便利。左下のCtrlキーはFPSゲーマーに向けて大きく設計されており、「Xccurate Design」とASUSは呼んでいます。

  • キーレイアウトを俯瞰。フルキーボードなので広々としています

  • テンキー付き。幅は440mmと大きめなので、スケール感は購入前に把握しておきましょう

  • Ctrlキーは一般的な製品の2倍大きい「Xccurate Design」仕様。Windowsキーは無効化することができ、Fnキー+左Altキーでマクロ機能のオンオフ切り替えを行えます

  • (FPSの)ホームポジションに手を載せた様子。小指が窮屈になりにくく快適です

  • スペースキーを親指でしっかり押せるところも好印象

さらに、F12キーには「INSTANT PRIVACY」機能を搭載している点もポイントです。押した瞬間にすべてのウインドウを最小化する他、オーディオも瞬時にミュート。もう一度押すと全部復元してくれるので、実用的な仕様になっています。仕事中に全く業務に関係ないサイトを見ているときや、配信中にまずいものが映り込んだときなどには重宝するんじゃないでしょうか。

  • ファンクションキーにはメディア機能が割り振られており、とても便利に使えます。F12キーには"象徴的な擬人化キーキャップ"を搭載し、即座に全ウインドウを最小化できます

  • USB端子を2つ専有します

  • 本体にはハブ機能も。ワイヤレスマウスのUSBドングルを差しましょう

  • 開いて傾斜を強められるキックスタンドも完備

  • パッケージにはIP56に準拠する防塵防滴仕様と記載があります。かなり勢いよく水がかかっても大丈夫

スイッチには独自開発の「ROG RX Redオプティカルメカニカルスイッチ」を採用。作動点が1.5mmと浅く、押下圧は40gから55gまで変化していくもので、完璧なリバウンドフィードバックを実現したとのこと。打鍵感はなかなか賑やかで、静かなオフィスでは気になるんじゃないかなという印象です。完全に筆者の主観ですが、CHERRY MX軸で例えるなら押した感触は「茶軸」、作動点の浅さは「やや銀軸」、打鍵音は「やや黒軸」と言った感じでしょうか。ちなみに打鍵音は製品ページで聞くことができます。

また、ゲーミング製品として約1,670万色に光るRGB LEDをしっかり完備。フレームレスタイプなのでLEDを備えるスイッチ部が露出しており、ド派手なイルミネーションを楽しめます。ライティングはユーティリティ「Armory Crate」からカスタマイズできるので、さまざまな色に遷移させてみたり、チカチカと明滅させてみたりといろいろなパターンを選択可能。「ROG Keris Wireless」など、対応するデバイスと協調したライティングも行えます。ゲーミングキーボードを購入するユーザーには関係ないかもしれませんが、どうしても消灯したい場合はもちろんオフにすることもできます。

  • スイッチが露出しているフレームレスタイプということもあり、光量は十分。上述の通りWindowsキーはロックできます

  • トップ画像は“映え”を意識して少し盛って撮影しましたが、まぶしすぎるということはありません

  • いろんな色を楽しめます

作動点の浅さがこんなにも素晴らしいなんて

ともあれ、実際にゲームに使ってみないことにはゲーミングキーボードの良さはわかりません。“FPSゲーマー向け”を謳っているので、Ctrlキーを多用する『Tom Clancy`s Rainbow Six Siege』をプレイしてみました。筆者は「しゃがみ」をCtrlキー長押しに割り当てているので、隠密行動中はCtrlキーを押しっぱなしにしているということもあり、幅が2倍になっているCtrlキー「Xccurate Design」はとても快適。しゃがみながらゆっくり右斜め前方向に歩くために「W」「D」「Ctrl」「左Alt」を同時押ししていても、もちろんNキーロールオーバーなので問題ありません。

特に大きな違いとして体感できたのは、作動点の浅さがメッチャ快適ということ。普段は作動点2.0mmのキーボードを使っているので、約0.5mmの差があることになります。このたった0.5mmという小さい数字が、こんなに応答性の高速さ、快適さに表れてくるのか…と驚きました。ROG Strix Scope RXからMajestouch2 Tenkeyless Sに戻ってみると、キーを想定より深く押し込んでいく必要があるように感じられるほどです。

静音テンキーレス版「ROG Strix Scope TKL」も魅力的

独自開発の高速スイッチを採用し、さまざまなメディアコントロール機能も充実。キーレイアウトは一般的なもので、打鍵感はとても素晴らしいです。作動点の浅さはとても大きな特徴で、普通のキーボードから買い換えればきっとその違いを体感できるはず。

ただ、個人的には打鍵音が少しうるさすぎるかなという印象。普段PCゲームをプレイするときはアームに吊るした指向性マイクでボイスチャットを使っていますが、それでも打鍵音がマイクに入ってしまっていました。

あと、“FPSゲーマー向け”を謳っているのにテンキーは要らないような気も。テンキーがあると大きくなってしまうので設置性が損なわれることもありますが、個人的には腋が開いてしまって精密なエイムをしにくいように思います。筆者の好みで言えば、より静音性の高いCherry MX赤軸を採用し、テンキーがなくてコンパクトな「ROG Strix Scope TKL」の方が欲しいかなと感じました。

  • デスクが光であふれます

2021/05/20追記:記事初出時、あたかもテンキーレスモデルや静音モデルがラインナップされていないかのような記述になっておりました。お詫びして訂正いたします。