ASUSから、79gという軽量さを備えつつ「有線・Bluetooth・無線ドングル接続」の3通りの接続に対応するというゲーミングマウス「ROG Keris Wireless」が登場しました。昨今のトレンドをしっかり抑えたASUSのワイヤレスマウスは、"勝てる"仕様になっているでしょうか。普段は「Razer DeathAdder Elite」でケーブルに縛られている筆者が、ワイヤレスゲーミングマウスをレビューします。

  • ASUSから登場したゲーミングマウス「ROG Keris Wireless」をレビュー

ゲーミングデバイスといえばとにかく性能向上著しいことで知られていますが、マウスにおいても一時期DPI(センサーの検出レート)がひたすら高まり続けていたような印象があります。近頃はそんなインフレも一段落したようで、今度は軽量化競争が勃発。最近のトレンドは「軽量ワイヤレス」という印象で、ASUSが送り出してきたROG Keris Wirelessもしっかりこれを抑えているところが好印象です。性能面では16,000DPIまでに対応し、ポーリングレートは1,000Hz。そこまで傑出したものではなく、必要な性能をしっかり揃えてきたというものでしょうか。

  • 両手用の製品ではなく、右手用です

  • 裏側。接続方法の切り替えやDPI調整、ペアリングなど操作部を集約

  • Type-Cを採用する端子部。付属のケーブルも布巻きのもので、「ROGパラコード」という名前がついているしっかりしたものです

手のひらが当たる部分はマットな塗装になっていますが、クリック部や右側面の一部にはPBT素材(ポリブチレンテレフタレート)を採用しています。筆者が愛用している2017年に買った「Razer DeathAdder Elite」はすっかり人差し指が当たる部分の塗装が剥げてしまいましたが、ROG Keris Wirelessなら長期間の使用にも耐えてくれそう。

付属品もチェックしましょう。充電・接続用Type-Cケーブル、サイドボタンのカラーを変更できる替えキャップ、高さや滑り具合を微調整できるというマウスソール、オムロン製替えスイッチという内容で、かなり豪華。スイッチは修理用のスペアパーツとしても使えますが、なんとクリックの押下圧を変えるというもの。交換は独自の「プッシュフィットスイッチソケット設計」でかんたんに行えるとのことです。

  • 裏側はのゴムキャップを取るとネジが出てくるので、これを取り外すとカバーが外れるようになります

  • 同梱のスイッチはオムロン製で、標準搭載されている方のスイッチは「ROGマイクロスイッチ」という名称になっています

まずは充電を兼ねて、Type-Cケーブルで有線接続して使ってみました。内蔵バッテリーのスタミナ性能は十分に高く、わずか15分の充電で最大15時間使用でき、フル充電でライトOFF時に最大78時間、ライトON時に最大56時間使用できるとのこと。軽量化を進めつつ、実用的なバッテリー性能を備えています。とりあえずASUS独自のユーティリティ「Armoury Crate」を導入し、各種設定を行いました。ASUSの製品は概ねこのユーティリティに対応しており、たいだい何でも設定できるという点が極めて優れたユーザビリティを実現しています。

  • Armoury Crateは製品付属の光学メディアの他、サポートサイトからも入手できます

あまり設定のカスタマイズに凝る方でもないですが、感度ステージの設定が行えるところが好印象。ゲームプレイと通常使用でさくっと感度設定を変更したいときに便利です。設定中のマウス感度はイルミネーションのカラーでざっくりと把握できるようになっているとのことですが、色に対応するマウス感度が何なのか少しわかりにくいなと思いました。さっそく普段使っているDeath Adder Eliteで設定しているDPI数値をそのまま入れてみましたが、センサーが違うとマウス感度の体感も異なるようで、同じ操作感にはならず。しっかりと調整を行いました。

  • 必要十分な設定項目を用意するArmoury Crate。マウスのオンボードメモリに設定を書き込み、複数のデバイスで同じ設定を共有できます

続いてBluetooth接続を試してみました。マウス底面のスイッチを切り替えることで、自動的にペアリングを待ち受けます。これはゲーミング用途というよりも、メインのゲーミングPCからサブのビジネス用PCに切り替えるような用途を想定したもので、スイッチひとつでホストデバイスを切り替えられて便利です。

  • スイッチひとつでBluetooth接続にさくっと変えられる

設定も済んだところで、本命の2.4GHzワイヤレス接続を使用。底面のホルダーに収まっているドングルをUSB端子に差し込むと、すぐに使えるようになりました。明らかにBluetooth接続よりも応答性・追従性ともに正確で、165Hzディスプレイに映るカーソルもしっかりと手の動きに吸い付いてくる印象です。

さっそく、アイテムを拾うための大きな視点移動と、射撃のための精密な操作が求められるバトロワFPS「Apex Legends」をROG Keris Wirelessで戦ってみました。しばらく実際にゲームをプレイしていて感じたのは、これが「かぶせ持ち」ではなく「つまみ持ち」で使うほうがベターな製品だということです。いつも使っているRazer DeathAdder Eliteが大きくて重いこともあり、普段はかぶせ持ちでマウスを保持していますが、ROG Keris Wirelessは若干小さめ。つまんで持つことで軽さとコンパクトさが活き、軽快に使えるようになりました。

  • かぶせ持ち

  • つまみ持ち

また、「ゲーミングマウスでワイヤレスなんて…」と思っていた筆者にとって、ワイヤレスマウスの快適さにはかなり驚かされました。ケーブルがないことで自由なマウス操作が行えることはもちろん、有線マウスに戻るとこれまでは意識していなかった微妙な引っ張られ具合がとても不快に感じます。これまではマウスバンジーを使うなどして対処してきましたが、本質的に有線マウスと無線マウスには快適さにおいて大きな隔たりがあるんだ…と強く感じました。

ただ、ROG Keris Wirelessを使っていていくつか気になる点も。1つめは、右側面のグリップ感が今ひとつ物足りなく感じたところです。右手用としてマウス右側面には少し角度がついており、さらにサラサラしたPBT素材が用いられています。薬指と小指のグリップがあまり効かないような印象があったので、どうしても気になる場合は別途マウスのグリップ感を増すシールを用いるなどして、対策を試みたほうが小さい力でマウスをしっかり保持できそうです。

2つめは、ホイールが少し重い点です。ブラウジングなどの通常利用でも気になりますが、ゲーム内でホイールの上下操作に武器変更を割り当てておき、素早く武器を切り替えるようなテクニックはやや使いにくく感じました。使用中に若干軽くなっていくこともあるかもしれませんが、中指で操作する、キーアサインを変更するなどの工夫が必要かもしれません。

3つめは、感度ステージ機能がやや使いにくいところです。底面にDPI変更ボタンを備え、「DPI変更ボタン長押し→ホイール操作」で感度を切り替えられるようですが、なかなか思い通りに設定できないことがありました。切り替えに成功しても、DPIが何にセットされたのかわかりづらいです。

最新トレンドをしっかり抑えた軽量ワイヤレスゲーミングマウス

ゲーミングマウスのトレンドとして強まる「軽量ワイヤレス」をしっかり抑え、3通りの接続方法としっかりしたスタミナ性能を提供。有線接続にType-Cを採用し、統合ユーティリティ「Armoury Crate」はしっかりした設定機能を提供してくれます。

ただ、個人的にはグリップ感の物足りなさやホイールの重さなど、若干気になったこともありました。しかしこれは大きくて重く、しかも有線で古いRazer DeathAdder Eliteを愛用している筆者による所感。PC周辺デバイスをASUS ROGブランドで統一したいPCゲーマーなら、機会を見て実際に試してみると良いかもしれません。