それほど大きくは取り上げられていない変更だが、多くの開発者に影響を与えるアナウンスがTwitterのWindows Insiderアカウントを通じて行われた。Windows 10のビルド21337から「Windows Terminal」がデフォルトでインストールされるようになったというものだ。Microsoftはここ数年、Windows Terminalの開発に力を入れてきた。今回のアナウンスは、Windows Terminalがデフォルトインストールのレベルまで到達したことを意味している。

  • Windows Insiderアカウントによるつぶやき

    Windows Insiderアカウントによるツイート

MicrosoftはWSL (Windows Subsystem for Linux)によってWindowsでLinuxバイナリを実行する機能を提供している。現段階では、WSLを使ったLinuxはコンソールからの利用が前提だ(今後のバージョンでGUIの利用も可能になる見通し)。そうなってくると、従来のコマンドプロンプトではターミナルとして機能が不十分であり、通常はサードパーティ製のターミナルアプリケーションやWindows TerminalをインストールしてWindows 10でLinuxを使うことになる。

Windows Terminalはここ数年で大きく開発が進み、LinuxのCUIアプリケーションを実行するのに十分な機能を備えるようになった。すでに利用している開発者も多い。しかし、デフォルトインストールされているアプリケーションではないため、利用するにはMicrosoft Storeからインストールするなどの一手間が必要だった。

Windows Terminalがデフォルトインストールになれば、PowerShellコマンドレットの実行やLinuxコマンドの実行、Windowsコマンドの実行などで使われるアプリケーションとしてWindows Terminalを前提とした説明が行われるようになる。これまでWindowsにはこうした多機能ターミナルアプリケーションがデフォルトでインストールされていなかったため、CUI系コマンドの説明では前提となるターミナルアプリケーションが指定されていないか、コマンドプロンプトやWindows PowerShellウィンドウなどの古いアプリケーションが使われることがあった。今後は十分な機能を備えたWindows Terminalが説明に用いられるケースが増えるものとみられる。