米Appleが4月28日 (現地時間)に発表した同社2021年度第2四半期(2021年1月〜3月)決算は、全ての製品カテゴリーで売上高が二桁の伸びとなり、売上高・利益ともアナリストの予想を大きく上回った。

1〜3月期の売上高は、前年同期比54%増の895億8400万ドル。純利益は同110%増の236億3000万ドルだった。希薄化後の1株あたり利益は1.40ドル。市場予想の平均は、売上高773億5000万ドル、1株利益0.99ドルだった。以下は1〜3月期の製品カテゴリー別の売上高(増減は前年同期比)。

  • iPhone:売上高479億3800万ドル (66%増)
  • Mac:売上高91億200万ドル (70%増)
  • iPad:売上高78億700万ドル (79%増)
  • ウェアラブル/Home/アクセサリ:売上高78億3600万ドル (25%増)
  • サービス:売上高169億100万ドル (27%増)

1年前の2020年1月〜3月期決算は、新型コロナウイルスが中国で感染拡大した影響で、iPhone、iPad、Macの売上高が前年同期を下回った。そのため昨年同期比で、iPhone、iPad、Macがそれぞれ66%増、70%増、79%増と大きな伸びになっているが、そうした昨年と今年の違いを考え合わせても、1〜3月期における5G対応のiPhone 12シリーズ、M1チップ搭載Mac、iPadの好調ぶりは印象的だ。各製品カテゴリーのアナリストの売上高予想は、iPhoneが408億ドル、Macが69億ドル、iPadが57億9000万ドル。いずれも大きく上回った。

  • iPhone 12

    iPhone 12

地域別では、中国が前年同期比88%増の売上高177億2800万ドルと大きな伸びだった。グローバルではMac購入者のうち初めてMacを購入する人が約半数だが、中国では約2/3とその割合が大きい。これまで中国はiPhone人気が際だった市場だったが、Macの販売が伸びており、今後M1 Macの成長市場になる可能性がある。

今後について、Appleは2021年4月〜6月期の予想を示さなかった。コロナ禍の影響から1年前にガイダンスの公表を取り止め、昨年の4〜6月期に回復が数字に現れ始めてからも、在宅学習や在宅勤務、自宅でのエンターテインメントによる短期的な伸びであるとして長期的な見通しの公表を控えてきた。これまでガイダンス見送りはアナリストの失望を招いていた。しかし、1〜3月期の業績から、Apple製品が5Gの浸透とPC市場の新たなトレンドを作るものになっていることが読み取れる。コロナ禍後に向けた明るい見通しから、アナリストの評価にも変化が見られる。