2021年夏に「Visual Studio 2022」の最初のパブリック・プレビューのリリースが予定されている。このバージョンにどのような機能が追加されるのか、Microsoftが4月19日(米国時間)、「Visual Studio 2022|Visual Studio Blog」において概要を伝えた。Visual Studio 2022で導入が予定されている注目の新機能や変更点などが紹介されている。
Visual Studio 2022で導入が予定されている主な新機能や変更点は次のとおり。
- 64ビットアプリケーション化。メインのdevenv.exeプロセスで使用できるメモリ上限4GBが撤廃される。これまではメモリ上限4GBという制限があったため、メモリ不足の例外が発生することがあったが、今後は物理メモリが十分にあればメモリ不足の例外発生が起こりにくくなり、必要に応じてスケールできるようになる。また、Visual Studio自体は64ビット化するが、これまでどおりVisual Studioを使って32ビットアプリをビルドすることもできる。
- 作業をスムーズに進められるようにユーザーインターフェースを刷新(UIの改善、アイコンの刷新、コントラストの向上、読みやすさと合字サポートのための新しい固定幅フォント「Cascadia Code」の導入など)。複雑さの低減、認知負荷の低減を実現し、作業に集中できるようにデザインの変更が進められている。
- カスタマイズ性の向上。統合開発環境をカスタマイズすることは開発者にとって重要。
- Azureを使ったモダンなクラウドベースアプリケーション開発を支援。
- WindowsとMacの両方の開発者に対応した.NET 6およびそのWeb、クライアント、モバイルアプリケーション用統合フレームワークをサポート(Windows、Android、macOS、iOS向けクロスプラットフォームクライアントアプリ用.NET Multi-platform App UIに対応)。
- C++サポート向上。CMake、Linux、WSLのサポート統合およびクロスプラットフォームアプリケーション開発を支援。
- デバッグパフォーマンスの向上。
- リアルタイムコラボレーション機能の強化。
- AI IntelliCodeエンジンによる行動支援。
- GitおよびGitHubサポート強化による非同期コラボレーション機能の向上。
- コード検索性能の向上。
- Visual Studio 2022 for Macの刷新。現在、Visual Studio 2022 for MacをmacOSのネイティブUIに移行する作業に取り組んでおり、パフォーマンスと信頼性が向上するほか、macOSのアクセシビリティ機能すべてを利用できるようになる。
なお、上記の一部の機能は、2021年夏に公開が予定されているパブリック・プレビュー1よりもう少し先のパブリックリリースでの導入が予定されている。次期バージョンは64ビット化が実現するなど、Visual Studioにとって待望のリリースになるものと見られる。