• 「Xperia 1 III」のサイズは高さ165×幅71×厚さ8.2mmで、ミリ波対応モデルは重さ188g。6.5インチの4K HDRかつ、リフレッシュレート120Hzのディスプレイは世界初とのことです

ソニーからスマートフォン「Xperia」シリーズの最新モデル「Xperia 1 III」と「Xperia 5 III」、「Xperia 10 III」がグローバル発表されました。このうち「Xperia 1 III」はau・ソフトバンク・ドコモから、「Xperia 10 III」はauとドコモから、いずれも6月中旬以降に発売されることが明らかになっています。どちらも5Gに対応し、カメラ、ディスプレイ、サウンド、バッテリーの性能が、前モデルから進化しました。

世界初、可変式望遠レンズを搭載したXperia 1 III

特に世界初の技術を搭載するなど大きな進化を遂げたのが「Xperia 1 III」。一眼レフカメラαシリーズの機能とUIを踏襲したカメラアプリ「Photography Pro」が、なんと標準のカメラアプリに昇格しました。

Photography Proでは、シンプルな操作で簡単に撮影がしたいユーザー向けに、新たに「BASICモード」も追加。これによって最高20コマ/秒のAF/AE追従高速連写や、動物にも対応のリアルタイム瞳AFなど、ソニーならではのカメラ性能を、誰もがより手軽に利用できるようになりました。

  • 背面はつや消し加工がされた、Corning Gorilla Glass Victusを使用。形は前モデルによく似ていますが、レンズの配置や形状も一新されています

  • ちょっとわかりにくいですが、「Xperia 1 II」(右)では不均等だった上下のベゼル幅が均等になり、完全なシンメトリーデザインに。800万画素のフロントカメラもベゼル内に収められています

  • 「Xperia 1 II」(右)の鏡面仕上げに対して、指紋が目立ちにくいつや消しかつ、すべすべした触り心地のフロスト加工がされています

  • 上部に3.5mmオーディオ端子、下部にUSB-Type C端子を搭載

  • ボタン類は右サイドに集中していて、音量キー、指紋認証センサー兼電源ボタン、Googleアシスタントボタン、シャッターボタンが並んでいます

  • 左サイドにはSIMカードスロットを搭載。IPX5/8相当の防水、IP6X相当の防塵に対応しています

  • グローバルで発表のカラーはフロストブラック、フロストグレー、フロストパープルの3色。au、ソフトバンクではフロストブラック、フロストパープルの2色、ドコモでは3色全てを取り扱い予定です

  • それぞれのカラーにあわせたスタンドケースもリリース。フリップ式のスタンドで「Xperia 1 III」を立てられます。「Xperia 10 III」向けにも同様のケースがリリースされる予定です

いずれも約1,220万画素の3つのレンズには、前モデルから引き続きZEISSレンズが採用されています。16mmの超広角(F2.2)、24mmの広角(F1.7)に加えて、望遠がペリスコープ型かつ70mm(F2.3)、105mm(F2.8)の可変式になりました。

  • 「Xperia 1 II」と同様にZEISSとT*コーティングを示すプリントも。上から超広角、広角、3D iToFセンサー、ペリスコープ型の可変式望遠レンズとなっています

これまで70mm以降はデジタルズームだったのが、「Xperia 1 III」では105mmまで光学ズームが可能になったということ。可変式の望遠レンズがスマートフォンに搭載されるのは世界初とのことです。これによって105mmでも高速AFやコンティニュアスAF、被写体を追随するリアルライムトラッキング、暗いシーンでの高速連写撮影などが可能になりました。つまり望遠でもブレずに、かつ明るく撮れるというわけです。

Photography Proに追加された「BASICモード」では動画も撮影できますが、4K HDR 120fpsのスローモーション撮影など、より本格的な撮影ができる「Cinematography Pro」も引き続き搭載。ディスプレイは世界初となる6.5インチの4K HDR、かつリフレッシュレート120Hzの有機ELで、出荷時には一台ごとにキャリブレーションも実施されるとのこと。HDMI→USB Type-C変換アダプターを用いれば、一眼レフカメラなどの外部モニターとしても使用できます。

リフレッシュレート120Hzに加えて、タッチサンプリングレートは240Hzをサポート。ほかにもゲームに特化した各種チューニング機能や、ハイフレームレートでの録画機能などオンラインゲームをプレイするのにうれしい機能が搭載されています。

  • シャッターボタンにはエンボス加工がされていて、指がかりが良くなっています。触感が異なるので他のボタンとも間違えません

サウンド性能もアップでグレードされていて、スピーカーは音圧が約40%も向上しているとのこと。実際に体験しましたが、前モデルにあった、スピーカーを鳴らしたときのビリビリとした振動がしっかり抑えられていて、なおかつ迫力が増しています。

前モデルから復活した3.5mmオーディオ端子も引き続き搭載されていて、さらにソニーの立体音響技術「360 Reality Audio」に対応。この技術、まだ対応コンテンツが少ないのが難点なのですが、「Xperia 1 III」では、通常のステレオ音源を立体音響で楽しめる「360 Spatial Sound」が利用可能。X軸の音がY軸にも広がるようなイメージで、音のライブ感が増します。

CPUはQualcomm Snapdragon 888で、メモリは12GB、ストレージが256GB。グローバルでは512GBのモデルも用意されています。

5Gは従来からのSub6だけでなくミリ波にも対応しますが、「Xperia Pro」のように360度全方位をカバーできるアンテナは搭載されていないとのこと。またバッテリーも4,000mAhから4,5000mAhへと増量。最短30分で約50%まで充電できる急速充電に対応するほか、ワイヤレス充電を他のデバイスに提供できる「おすそわけ充電」機能も搭載しています。

  • 「360 Spatial Sound」ではステレオ音源の楽曲に立体感をプラスされます。スピーカーの迫力も増し、さらに音楽再生や動画視聴におすすめできるスマートフォンとなりました

Xperia 10 IIIは5G対応に! サイズダウンも性能向上

このほか、ミッドレンジスマートフォン「Xperia 10 II」の後継機種となる「Xperia 10 III」は5Gに対応。前モデルよりもサイズダウンしつつ、バッテリーが3,600mAhから4,500mAhへと大幅に増量されています。

  • Xperia 10 III。サイズは高さ154×幅68×8.3mで重さ169g。6.0インチのHD+の有機ELディスプレイ

カメラは超広角16mm(F2.2)、広角27mm(F1.8)、望遠54mm(2.4)と3眼であることは変わりませんが、広角ではより暗所に強くなっています。また「プレミアムおまかせオート」はペットも認識。10コマ/秒連写など、動く被写体を撮影しやすくなっています。

6.0インチのHD+の有機ELディスプレイはHDRにも対応。さらにサウンドも強化され、ソニーの高音質技術「DSEE」がDSEE HXからDSEE Ultimateへとアップグレードされています。CPUにはQualcomm Snapdragon 690を採用。メモリは6GB、ストレージは128GBで、5GはSub6のみに対応しています。

  • 背面は樹脂製ですが、「Xperia 10 II」同様安っぽさは微塵も感じられません

  • 右サイドに音量キーと指紋認証センサー兼電源ボタン、左サイドにSIMカードスロットを配置

  • 上部に3.5mmオーディオ端子、下部にUSB-Type Cが搭載されいて、IPX5/8相当の防水、IP6X相当の防塵にも対応しています

  • 「Xperia 10 II」(右)に比べて、高さが3mmほど短くなっています

  • カラーはブルー、ピンク、ホワイト、ブラックの4色展開です

新しい「Xperia 1 III」は、ぱっと見た感じは「Xperia 1 II」とよく似ているのですが、カメラ、ディスプレイ、サウンドのいずれも、劇的といっていい進化を遂げており、特に「Photography Pro」が標準となったカメラ機能は、実機をテストするのが本当に楽しみです。また「Xperia 10 III」は5G対応にあわせて、バッテリーが大幅に増強された点がポイント。こちらも実際のバッテリー持ちがどうなのか、ぜひチェックしてみたいと思います。

3キャリア全てで取り扱いが発表された「Xperia 1 III」と、au・ドコモで販売予定の「Xperia 10 III」(ドコモでは限定カラーの「イエロー」も用意)。SIMフリーモデルの発売はあるのかも気になるところです。