Mozillaは3月23日(米国時間)、Webブラウザ「Firefox」の最新版となる「Firefox 87」をリリースした。このバージョンの目玉となる新機能は、プライベートブラウジングモードで有効となる「SmartBlock」だ。このSmartBlockについて、Mozilla Security Blogのエントリー「Firefox 87 introduces SmartBlock for Private Browsing - Mozilla Security Blog」が詳しく伝えている。

  • macOS版 Firefox 87.0(64ビット)

    macOS版 Firefox 87.0(64ビット)

Firefoxのプライベートブラウジングモードは、Cookieや一時ファイル、ページの訪問履歴などを記録することなくWebブラウジングを行うモードである。訪問したWebサイトなどの情報を残さないため、ユーザーのプライバシーを保護した状態でのインターネットの利用が可能となる。トラッキング防止機能も備えており、Webサイトに設置されたトラッカーが隠れてデータを収集したり、Webサイトの表示を遅くすることも防止できる。

しかし、Web上のトラッカーを完全にブロックしようとすると、一部のWebサイトでは正しく機能するために不可欠なコンポーネントまでブロックされてしまい、正常な表示が妨げられるといったリスクが発生する。このことが、プライバシー保護機能を強化する取り組みの中で大きな課題になっていたという。

新たに導入されたSmartBlock機能では、サードパーティの追跡スクリプトに対して、ローカルに代用のスクリプトを提供することでこの問題を解決する。代用のスクリプトはWebサイトの機能上は元のスクリプトと同様に動作するが、実際にはトラッキングのためのサードパーティのコンテンツを読み込まないため、トラッカーとしては機能しない。これによって、元のWebサイトの機能やパフォーマンスを損なうことなく、ユーザのプライバシーを適切に保護するという。

Firefox 87では、SmartBlock機能のほかにも、プライバシー保護に向けたデフォルトのHTTPリファラーポリシーの更新や、ページ検索のハイライト表示の強化、macOSの組み込みスクリーンリーダーであるVoiceOverの完全サポートなどといった改善が行われた。詳細は下記のリリースノートにまとめられている。