この時期、新しいiPhoneの購入を考えている人は多いでしょう。この春は「ahamo」など携帯電話各社の新料金プランが出そろい、毎月の携帯料金が大幅に抑えられることが期待できるので、浮くお金で最新のiPhone 12シリーズを入手するのにうってつけのタイミングといえます。

しかし、「iPhone 12シリーズの違いが分からない、どれを選べばよいか分からない」「古いiPhoneから買い替えると何が変わるの?」「手持ちのiPhone、買い替えが必要なの?」といった声をよく聞きます。そこで、最新iPhone選びにまつわる疑問をまとめてみました。iPhone 12選びにまつわる疑問をスッキリ解決します!

  • 4月から新生活が始まる人は、気分も新たにiPhone 12シリーズに一新したい

iPhone 12シリーズで進化したポイント、まとめてチェック

まず、従来のiPhoneを使っている人が最新のiPhone 12シリーズに買い替えた場合、どのような進化や違いが実感できるのかをまとめてチェックしていきましょう。

A14 Bionicチップでカメラの画質がさらに向上、失敗も減らせる

まず挙げられるのが、「カメラ機能で撮影した写真の画質がよくなる」「薄暗い室内や夜景など、カメラが苦手とするシーンでも失敗せずに撮影できる」こと。これらの改良をもたらしたのが、iPhone 12シリーズが搭載する「A14 Bionicチップ」の存在です。

  • iPhone 12シリーズでは、A14 Bionicチップのおかげでカメラの画質や性能がさらに進化した

薄暗いシーンでは、複数枚の画像を分析しながら合成し、ノイズを抑えつつ精細感のある写真に仕上げる「Deep Fusion」という機能が撮影時に働くので、誰でもシャッターを押すだけできれいな写真が撮影できます。特に光量が少ない状況ではナイトモードが働き、こちらもシャッターを押すだけで見た目以上に明るく印象的な写真に仕上げてくれます。「これほど暗いときれいに撮れないから撮影は無理だな…」とあきらめずに済むのは、大きなポイントといえます。

  • iPhone 12 Pro Maxで撮影。構図を決めてシャッターを切ったところナイトモードが働き、頭で思い描いていた以上に明るく精細な仕上がりになった。難しいことを考えずにシャッターを切るだけで誰でもベストな撮影ができるのがiPhone 12シリーズの魅力だ

A14 Bionicは、カメラ以外にもさまざまな部分で性能の底上げを図っていますが、多くの人が日々利用するカメラの性能が底上げされる点は特に注目したいと思います。

各社の新料金プランで対応が進む5G、エリアも急拡大中

次世代通信の5Gに対応した点も、iPhone 12シリーズのポイントです。エリアの狭さなどから「5Gはまだいらない」と思っている人も多いと思いますが、昨年秋のiPhone 12発売時点と比べて5Gエリアはだいぶ広がりました。さらに、ahamoやpovoなどの新料金プランも5Gに対応しており、5Gは着実に身近なものになっています。

  • サービス開始当初は「エリアが狭すぎる」と酷評された5Gだが、エリアは急速に拡大している。各キャリアの料金プランの改良も、5Gの利用に追い風となっている

デザインがカッコよくなっただけでなく、壊れにくさも向上

側面がフラットでエッジを強調したシャープなデザインに一新したiPhone 12シリーズ。パネル周囲のベゼルが狭くなったことで、本体サイズも従来よりひとまわりコンパクトになった点は特筆できます。また、エッジがフラットになったことで立てた状態で自立でき、三脚がない状況でも自撮りしやすくなったのも地味にうれしいポイントです。

  • 数世代ぶりにデザインを一新したiPhone 12シリーズ。iPhone 12/12 miniとiPhone 12 Pro/Pro Maxでは、フレームの素材やデザインの仕上げが異なっている

  • 側面がフラットなので、本体だけで自立する。三脚などの用品がない状況で自撮りしたい時に便利に活躍する

デザインが変わっただけでなく、「壊れにくい」という信頼性が高まった点も見逃せません。iPhone 12シリーズは防水性能がIP68に高まり、水深6mの水中でも30分耐えられるようになりました。また、米コーニング製の強化パネルをディスプレイ面に採用し、耐落下性能が従来の4倍に向上。うっかり落としても画面が割れにくくなっています。

映画の表現が高まったディスプレイ、情報量も多くふだん使いも快適に

iPhone 12シリーズは、全機種が有機ELパネルを用いたSuper Retina XDRディスプレイを搭載しています。黒をより黒く表現できるだけでなくダイナミックレンジも広く、映画などの動画配信サービスのコンテンツもより美しくリアルに楽しめます。パネルのサイズや解像度は機種ごとに異なるほか、iPhone 12 Pro/12 Pro Maxのみ最大輝度が少し高まるといった違いはありますが、どの機種も臨場感あふれる映像が楽しめます。

  • Super Retina XDRディスプレイの搭載により、手のひらサイズのボディながら映像もサウンドも満足のいくクオリティで楽しめる

動画再生以外の通常の使い方でも、全画面デザインになったiPhone 12は多くのメリットをもたらします。1画面で表示できる情報量が増え、いちいちスクロールする手間が大幅に省けます。Webブラウザーや地図、メッセンジャーなど、ふだん利用するアプリ全般でメリットが享受できるので、よりストレスなく使えます。

  • iPhone 12 mini(左)とiPhone 8(右)。本体はiPhone 12 miniの方が小さいが、画面サイズや表示できる情報量は逆に多くなっている

一度体験すればやみつきになる便利なMagSafeに対応

iPhone 12シリーズで新たに加わった装備の1つが「MagSafe」です。背面のワイヤレス充電部の周囲にリング状のマグネット(磁石)が埋め込まれ、さまざまなアクセサリーが特定の場所にスッとくっつく構造になっています。アップル純正のワイヤレス充電器「MagSafe充電器」(税別4,500円)は、iPhoneを近づけるだけで充電ポジションに正確にくっつき、従来のワイヤレス充電器につきものだった面倒な位置合わせの必要や、「充電されてなかった…」というガッカリとは無縁になります。

  • iPhone 12シリーズは、MagSafe充電器(右)にアバウトに近づけるだけでシュッとくっついて充電が始まるのが便利

磁力でくっつく特徴を生かし、iPhoneを好きな場所に固定できる簡易ホルダー的なステッカーも登場しました。サードパーティーも巻き込んで、MagSafe関連アクセサリーは増えていくとみられ、今後さまざまな便利な使い方が期待できそうです。

  • エレコムの「MAGKEEP マグネットステッカー」(実売価格は税込み1,080円前後)は、ステッカーを貼り付けた場所にiPhone 12シリーズを手軽に固定できる

前面カメラはポートレートモードに対応、マスク装着時のFace ID対応も準備中

全画面デザインを採用するiPhone 12シリーズは、前面に顔認証や自撮りに使われるTrueDepthカメラを搭載しています。iPhone 12シリーズでは新たに、前面カメラでもポートレートモードでの撮影が可能になり、自撮りでも印象的な仕上がりにできるようになりました。

ちなみに、顔認証でロック解除できるFace IDは、次期バージョンのOSで「マスクを装着したままだとFace IDによるロック解除がしづらくなる」という欠点を解決する改良が施され、ストレスが解消されます。これは、マスクがじゃまをしてFace IDの認証ができない場合、ロック解除された状態のApple Watchを検出できたら「Face IDでロック解除しようとしたのが本人だ」と判断し、iPhoneのロックを解除する仕組みです。「マスクを日常的に使うようになった現在、Face IDへの移行は不安」と感じているiPhone 8以前のユーザーも、安心して移行できる要素といえます。

  • iPhoneとApple Watchの次期OSでは、Apple Watchを装着していればマスクを装着していてもFace IDでスピーディーにロック解除できるようになる

これまでに紹介してきた特徴は、iPhone 12シリーズの4機種すべてで共通となっています。スマートフォンとして重要な基本性能を出し惜しみなく4機種共通で引き上げたので、安心して機種選びができます。

次回の後編では、iPhone 12選びの際に注目したい機種ごとに異なる装備や機能をチェックしつつ、どの世代のiPhoneは買い替えたほうがいいかをズバリ診断します。また、値引きのないiPhoneをおトクに購入する方法も紹介します。