ソニーは3月17日、ミラーレスカメラ「α」用の大口径標準レンズ「FE 50mm F1.2 GM」を発表した。開放F1.2の明るさながら、従来の「Planar T* FE 50mm F1.4 ZA」と同じ長さ、同じ重さに仕上げた。最新の光学設計や特殊レンズの採用で描写性能も高めたほか、最短撮影距離も短くした。小型軽量のαシリーズに見合う高画質レンズとして売り込む。価格はオープンで、予想実売価格は税込み28万円前後。発売は4月23日の予定。

  • F1.4レンズ並みのサイズ感に仕上げた開放F1.2の大口径標準レンズ「FE 50mm F1.2 GM」

FE 50mm F1.2 GM 機能説明ビデオ

G Masterシリーズでは13本目となる大口径標準レンズ。他社の同等クラスのF1.2レンズよりも大幅に小型軽量化を図った点、絞り開放でも解像感の高い描写が得られる点、G Masterレンズならではの柔らかなボケのある描写で撮影できる点、被写界深度がとても浅くなるF1.2でも瞳認識AFで狙った人物に容易にピントが合わせられる点を特徴とする。

  • 各社の50mm F1.2レンズと比べても圧倒的にコンパクト。特に、レンズの長さと重さを抑えている

高解像性能は、新開発のXA(extreme aspherical、超高度非球面)レンズを3枚盛り込むなどして、周辺部まで解像性能を確保した。ナノARコーティングIIの採用で、フレアやゴーストも抑えている。絞り羽根は11枚の円形絞り。面精度を0.01ミクロンにまで高めたXAレンズの採用で、目障りな輪線ぼけを低減し、とろけるようなぼけ味の美しさを追求した。

  • レンズ構成。オレンジ色のレンズがXAレンズとなる

  • MTF曲線

オートフォーカスは、XD(extreme dynamic)リニアモーターを4基搭載し、高速・静粛なピント合わせを可能にしている。リニア・レスポンスMF機能も搭載し、マニュアルフォーカス時も繊細なピントリングの操作ができる。最短撮影距離は0.4m、最大撮影倍率は0.17倍。フローティングフォーカスの採用で、撮影距離を縮小している。

ピントリングは、側面のスイッチ操作でクリックの有無を切り替えられる。レンズは防塵防滴に配慮した構造としている。

  • 焦点距離:50mm(フルサイズ)、75mm(APS-C)
  • レンズ:10群14枚
  • 画角:47度(フルサイズ)
  • 絞り:F1.2~16
  • 最短撮影距離:0.4m
  • 最大撮影倍率:0.17倍
  • フィルター径:72mm
  • レンズ内手ぶれ補正:なし
  • 最大径×長さ:87×108mm
  • 重さ:778g