iPhone 7以降の機種は防水対応
現在利用されているiPhoneの多く(iPhone 7以降の機種)は、防水性能を備えています。スマホの防水性は本体の設計や素材によるところが多いため、後付けで防水性能を持たせることはできません。iPhoneを袋状の容器に密閉する「防水ケース」も販売されていますが、iPhone本体のみで防水性を実現したい場合は、iPhone 7シリーズ以降の機種に買い換える必要があります。
そのとき確認したいのが「保護等級」です。ここでいう保護等級とは、機器内部をホコリや砂などから守る「防塵性能」と、水分から守る「防水性能」を数値で表したものです。iPhone 7以降の機種は「IP67」あるいは「IP68」の保護等級に対応しており、高い防塵防水性能を備えているといえます。
iPhoneの防水性能一覧
機種 | 保護等級 | 耐えられる水深、時間 |
---|---|---|
iPhone SE 第3世代 | IP67 | 深さ1mまで、最長30分間 |
iPhone 13シリーズ / 12シリーズ | IP68 | 深さ6mまで、最長30分間 |
iPhone 11 Pro / 11 Pro Max | IP68 | 深さ4mまで、最長30分間 |
iPhone 11 / XS / XS Max | IP68 | 深さ2mまで、最長30分間 |
iPhone SE 第2世代 / X / XR / 8シリーズ / 7シリーズ | IP67 | 深さ1mまで、最長30分間 |
iPhone 6sシリーズ以前 | 非対応 | 非対応 |
防塵防水規格「IP●●」とは?
「IP」から始まる文字列は、IEC(国際電気標準会議)によって世界標準規格となったハードウェアの外側に関する保護等級を意味します。IPに続く数値の1桁目は防塵性能レベル、2桁目は防水性能レベルを意味し、防塵・防水どちらかのみを表示する場合は「X」でもう一方を省略します。
たとえば、「IPX8」は防水性能のみを表し、その保護等級は8。「IP7X」は防塵性能のみで、その保護等級は7、と読み取ることができます。iPhone 13シリーズの「IP68」は防塵性能が6、防水性能が8という意味です。
防塵性能レベルは6が最大、防水性能レベルは8が最大と定められているので、iPhone 11シリーズ以降の「IP68」は最高水準の防塵防水性能を持つといえます。そのうえ、深さ6mまで/最長30分間に耐えられるなど、規格で定めた水準を超えるほど高性能になっています。
防水保護等級の性能レベル(IPX●)
性能レベル | 防水性能 |
---|---|
0 | 特に保護なし |
1 | 鉛直に落下する水滴から保護される |
2 | 15度以内で傾斜させても鉛直に落下する水滴から保護される |
3 | 鉛直から60度の範囲で落下する水滴から保護される |
4 | あらゆる方向から水の飛沫を受けても有害な影響がない |
5 | あらゆる方向から噴流水を受けても有害な影響がない |
6 | あらゆる方向から強い噴流水を受けても有害な影響がない |
7 | 約30分、1メートル程度の深さに水没させても有害な影響がない |
8 | 継続して水中で使用(潜水)しても有害な影響がない |
防塵保護等級の性能レベル(IP●X)
性能レベル | 防塵性能 |
---|---|
0 | 特に保護なし |
1 | 手の接近からの保護(直径50mm以上の固形物が侵入しない) |
2 | 指の接近からの保護(直径12mm以上の固形物が侵入しない) |
3 | 工具の先端からの保護(直径2.5mm以上の固形物が侵入しない) |
4 | ワイヤーなどからの保護(直径1mm以上の固形物が侵入しない) |
5 | 粉塵からの保護(機器の安全を損なう量の粉塵が侵入しない) |
6 | 完全な防塵機構(粉塵の侵入が完全に防護) |
iPhoneをお風呂で使っても平気?
では、防水性能を持つiPhoneであれば、お風呂で使っても大丈夫なのでしょうか。防水性能のテストは「常温(5~35℃)」の「真水」で行われますが、湯船やシャワーのお湯は40度前後で常温とはいえず、シャンプーや入浴剤などの成分が混じると真水ではありません。耐水性能は充電ケーブルの接続まで考慮していないうえ、Lightningポートに石けんなどが付着すると、浴室から出て乾燥させたあとでも問題が生じる可能性があります。
Appleはサポートページに「iPhoneやiPodが液体により損傷した場合、その修理はApple製品1年限定保証の対象になりません」と明記しています。わずかな時間使ったところで即故障とはならないものの、IPX8以上の高い防水性能があるからといってiPhoneをお風呂で利用すべきではないでしょう。
iPhoneが濡れたときの対処法
iPhoneが濡れてしまった場合は、柔らかい布などで拭き取りましょう。水以外の液体が付着してしまった場合は、その部分を水道水ですすいでから拭き取ればOKです。そのまま自然乾燥させれば、ふだんどおりに利用できます。急いで乾燥させたい場合は、風通しのよい場所に置くか扇風機をあてる程度にとどめ、ドライヤーの熱風をあてるのは避けましょう。
水没させたなどLightningポートに水分が付着したことが確実な場合は、ショートなどの事故でiPhoneを破損させてしまう可能性があるため、完全に乾くまでケーブルでの充電は厳禁です。ワイヤレス充電はボディに付いた水分をしっかり拭き取れば、すぐに充電を開始できます。
iPhoneのLightningポートの内側には、水などの液体と触れたかどうかを判定 するための液体浸入インジケータが装備されています。「充電はできません」という警告ダイアログが表示された場合は、ケーブル類をすべて取り外し、最低でも5時間以上は充電を避けましょう。