ソニーは、微細なLED素子を使った業務用「Crystal LED」の新機種2シリーズを2021年夏に発売する。高コントラストな「Cシリーズ」2機種と、高輝度な「Bシリーズ」2機種、ディスプレイコントローラー「ZRCT-300」の5製品を用意し、いずれも価格はオープンプライス。

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    新「Crystal LED」の設置イメージ

Crystal LEDのラインナップ

  • Cシリーズ「ZRD-C12A」(1.26mmピッチ) / 「ZRD-C15A」(1.58mmピッチ)
  • Bシリーズ「ZRD-B12A」(1.26mmピッチ) / 「ZRD-B15A」(1.58mmピッチ)
  • コントローラー「ZRCT-300」
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Crystal LEDは、画面に微細なRGB LED素子を配置し、画素ごとに駆動するソニー独自の自発光ディスプレイ方式。CES 2021にあわせて披露された新機種では、これまでのCrystal LEDで培った独自のLED制御技術と、ソニーのBRAVIAシリーズの信号処理技術を採り入れた高画質プロセッサー「X1 for Crystal LED」を搭載。縁なしのベゼルフリーで目地の無い大画面に「圧倒的な臨場感のある映像を高輝度かつ広い視野角で映し出す」としている。

また、軽量・静音・省スペース設計で、壁掛けやカーブした場所などへの柔軟な設置性を備え、企業のショールームやロビー、プロダクションなどへの展開を想定している。

Cシリーズは、100万:1の高コントラストを実現し、明るい場所でも漆黒が際立つ美しい映像を映し出せるという。また、ディープブラックコーティングにより、際立つ漆黒と暗部の豊かな階調表現を追求した。

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    ロビーへの設置イメージ

Bシリーズは、クリエイターのニーズを反映してソニー・ピクチャーズエンタテインメントと共同開発。低反射コーティングにより明るい環境下においても反射を抑え、1,800cd/平方メートルの高輝度(ZRD-B12Aの場合)で、広い色域を保ったクリアな映像を映し出すという。特にバーチャルプロダクションや放送局スタジオ、撮影現場の背景など映像制作用途に適するとのこと。

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    バーチャルプロダクションへの設置イメージ

どちらも高画質機能として、超解像処理「リアリティクリエーション」や、被写体ブレを抑えて滑らかで歪みのない映像にする「モーションフロー」、階調表現を高める「22ビットスーパービットマッピング」などを搭載している。両シリーズともHDRや120fps HFR、3Dなどの映像入力に対応する。

ディスプレイは複数のキャビネットを組み上げて大画面を構築する方式。設置ニーズに合わせて、2つのピクセルピッチサイズ(1.26mmと1.58mm)が選べるようにしており、一例として1.26mmピッチのキャビネット128個で横9.7×縦2.7m(8K×2K)の大画面ディスプレイを構築できる。キャビネットにはベゼルがないため、繋げて設置すると「一枚の大画面に映し出しているような臨場感ある映像になる」という。

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    キャビネットの背面

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    Crystal LED コントローラー「ZRCT-300」

使用用途や設置場所に合わせて、画面の大きさや縦・横比率を自由に構成できる。軽量で、ファンレスによる静音設計とバックヤードが不要な省スペース設計のため、壁掛けやカーブした壁面への設置など、さまざまな環境に柔軟に対応できるとのこと。

メンテナンス性を向上し、トータルコストを削減したのも特徴。フロントからのアクセスが可能な保守性の高さや、低消費電力による長寿命化など、従来製品に比べて導入費用とメンテナンス費用を軽減した。100~240VのAC電源に対応する。

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