米Sony Electronics(ソニー・エレクトロニクス)は現地時間1月6日、最新技術を投入した「Crystal LED」2シリーズを発表した。企業のショールームやロビー、プロダクションなどへの展開を想定しており、高コントラストな「Cシリーズ」と、高輝度な「Bシリーズ」を用意。どちらも夏に発売予定で、オールデジタル開催の「CES 2021」で披露される。

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    新「Crystal LED」の設置イメージ

Crystal LEDは、画面に微細なRGB LED素子を配置し、画素ごとに駆動するソニー独自の自発光ディスプレイ方式。米Sony Professional Solutionsが2020年12月にYouTubeで公開した「Premium Direct-View Display」ティザー動画において、“次のブレイクスルー(Next breakthrough)”として紹介していたものの詳細が明らかになったかたちだ。

新しいCrystal LEDは、高コントラストな「Cシリーズ」(ZRD-C12A/C15A)と、高輝度な「Bシリーズ」(ZRD-B12A/B15A)を用意。どちらも高性能な画質プロセッサー「X1 for Crystal LED」を搭載しており、専用に開発されたLED制御技術と、ソニーのBRAVIAシリーズの信号処理技術を採り入れたほか、マスターモニターに触発された画像精度を可能にし、高精度でリアルな大画面を実現するという。

Cシリーズは、100万:1の高コントラストを実現。企業のショールームやロビー、カスタマーエクスペリエンスセンターなどでの使用を含む、さまざまなアプリケーション向けに最適化した「ディープブラックコーティング」を施した。

Bシリーズは、クリエイターのニーズを反映してソニー・ピクチャーズエンタテインメントと共同開発。明るい環境に最適な1,800cd/平方メートルの高輝度を実現するとともに、広い色域で「驚くほどリアルな画像を表示する」という。マット仕上げの反射防止コーティングを施し、仮想セットやスタジオの背景など、クリエイターやデザイナー、制作アプリケーションに最適としている。

どちらも高画質機能として、アップスケーリング処理を行う「Reality Creation」や、被写体ぶれを抑えて滑らかで歪みのない映像にする「Motionflow」、階調表現を高める「22bit Super Bit Mapping」などを搭載。広視野角かつ広色域で、HDRや120fps HFR、3Dなどの映像入力にも対応する。

ディスプレイはモジュール式で、シームレスでベゼルのない構成になっており、さまざまなサイズやレイアウト、解像度に対応するよう拡張できる。軽量で柔軟性もあり、壁掛けや湾曲した配置にも対応できるとのこと。設置ニーズに合わせて、2つのピクセルピッチサイズ(1.26mmと1.58mm)が選べるようにした。

消費電力が少なく、前面からのアクセスも容易なユーザーフレンドリー仕様としており、購入後のメンテナンスを含むコストを削減できるという。どちらのシリーズもファンレスで、静かな動作も実現。100~240VのAC電源を備え、使いやすさが向上するという。