既報の通りNVIDIAはCESに合わせて開催されたオンラインイベントである「GeForce RTX: Game On」で、GeForce RTX 3060を発表したが、こちらのイベントではその他の新製品やゲームのRTX/DLSS対応状況アップデートもあわせて紹介されたので、このあたりをまとめてご紹介したい。ちなみに今回はJen-Hsun Huang CEOは登壇せず、Jeff Fisher氏(SVP, GeForce Business Unit)が説明を行っている。

さて、Fisher氏は2020年を振り返り、Gamingのニーズが大幅に高まっている事を指摘(Photo01)。次いで急速にGeForce RTXをサポートしたゲームが増えている事を挙げた(Photo02)。今回のイベントでも"Call of Duty:Warzone"(Photo03)、OUTRIDERS(Photo04)、Five Nights at Freddy's:Security Breach(Photo05)、F.I.S.T.:Forged In Shadow Torch(Photo06)などが、新たにPhoto02のリストに加わる事が発表された。また2020年9月に発表された、GeForce GTX 750以降のGeForceとG-SYNCと組み合わせる事で低遅延を実現するNVIDIA REFLEXも既に採用事例が増えてきたとしている(Photo07)。またAcer/AOC/ASUSから合計5製品のG-SYNC対応Gaming Monitorが新たに発表されたことも触れられた。

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    Photo01: まぁ自宅に籠っていれば、YouTubeだのSteamだののニーズが増えるのは当然と言えば当然。

  • Photo02: 「GeForce RTXをサポート」であって、DXRTをサポートという訳ではないのがアレであるが。

  • Photo03: 2019年のゲームだけに、さすがにDXRTのサポートを後から追加という訳には行かなかった模様。

  • Photo04: こちらは先日、2カ月の発売延期が報じらればかリ。

  • Photo05: こちらはまだ開発中であり、リリース時期も不明。ちなみにDXRTとDLSSの両方に対応予定。

  • Photo06: 発売日は今のところ2021年4月とされている。DXRTとDLSSの両対応。

  • Photo07: NVIDIAのReflexのページと比較すると、かなり対応リストが一致していない。実際にはこれ以外にもある(なんでこのスライドにOverwatchが入っていないのか謎)。

次いで、GeForce RTX 3060の説明が行われたが、これは先のレポートで細かく説明されているので割愛する。

ただグラフィックカードについては、単にDesktop向けのみならずMobile向けにも用意された。まずAmpereベースの第2世代GeForce RTX(つまりGeForce RTX 3000シリーズ)をモバイル向けに提供するとしたうえで、AI制御による第3世代MAX-Qも同時に発表された(Photo08)。この第3世代MAX-Qでは、AIを利用してCPUとGPU、更にはビデオメモリの消費電力まで制御する(Photo09)ほか、AMDがSAM(Smart Access Memory)として発表したResizable BARのサポート(Photo10)なども表明された。製品としてはGeForce RTX 3060(Photo11)、GeForce RTX 3070(Photo12)、GeForce RTX 3080(Photo13)の3つが用意される。それぞれのスペックは表1の通りである。

  • Photo08: ただResizable BARやDLSSは、果たしてMAX-Q特有のものなのか、GeForce RTXを利用するとそのまま利用可能なのか、は不明。

  • Photo09: 大きなグリーンがGPU、ブルーがCPU。従来のMAX-Qはこの2つの消費電力をうまく制御する仕組みだったが、第3世代ではビデオメモリ(小さなグリーン)も制御対象となった。

  • Photo11: PS5の1.3倍の性能、という表現はまぁ判りやすいというべきか。

  • Photo12: 1440pで常用できるとする。

  • Photo13: 性能も凄いが消費電力と排熱も凄いので、さすがに筐体もそれなり。

■表1 GeForce RTX 3080 LAPTOP GPU GeForce RTX 3070 LAPTOP GPU GeForce RTX 3060 LAPTOP GPU
CUDA Core数 6144 5120 3840
Boost Clock (MHz) 1245-1710 1290-1620 1283-1703
Memory Spec 8 or 16GB GDDR6 8GB GDDR6 6GB GDDR6
Memory Bus 256bit 256bit 192bit
GPU Subsystem Power (W) 80~150+ 80~125 60~115

このMobile向けGPUは、単にGamingだけではなくProfessional Workstation向けとしても利用できる。これに向けてNVIDIA Studioもアップデートされており(Photo14)、アプリケーション性能も従来よりずっと向上(Photo15)、様々なアプリケーションで大幅に性能が改善することをアピールした。このGeForce RTX 3000シリーズLaptop GPUを搭載したマシンは1月26日から出荷される予定との事であった。

  • Photo14: NVIDIA Studioそのものは2019年から提供されており、今回もGeForce RTX 3000シリーズに対応したという話。

  • Photo15: ただ16GBに対応するのはGeForce RTX 3080 Laptop GPUのみ。むしろこちらに向けては、GeForce RTX 3060とか3070の12GB/16GB版が求められているのでは?という気もしなくはない。

  • Photo16: 国内での出荷予定は不明。