韓国LG Displayは、折り曲げ可能で画面から音も出る、世界初の48型「Cinematic Sound OLED」(CSO)を発表。“オールデジタル”で開催される、世界最大級の家電・テクノロジー見本市「CES 2021」(会期:米国時間1月11日〜14日)で披露する。

  • Cinematic Sound OLED

    Cinematic Sound OLED

世界初の48型「Cinematic Sound OLED」

紙のように薄く、最大1,000Rの曲率半径まで曲げたり展開したりできる有機ELの利点を利用。テレビとして使うときはフラットなスクリーン、ゲームプレイ時は湾曲したスクリーンとして使えるという。

さらに、独自のCSOテクノロジーにより、スピーカーを使わずに有機ELディスプレイそのものを振動させて音を出すことも可能。「画面上のキャラクターがユーザーに直接話しかけているような臨場感を実現する」としている。ディスプレイを振動させる超薄型フィルムエキサイターの厚みは、従来の9mmから0.6mmまで薄くなり、より印象的なサウンドを楽しめるとのこと。

ディスプレイの応答速度は0.1ms。リフレッシュレートは最高120Hzを実現し、40〜120Hzまでの可変リフレッシュレート範囲をサポート。長時間の使用に配慮し、ブルーライト低減やちらつきを抑える機能も備える。

LG DisplayのChang-ho Oh博士は、このディスプレイはゲーム用に最適化した製品と説明しており、「次元の違う没入型体験を提供する高度なテクノロジーを最大限活用した。要はゲーマーに最高のゲーム環境を提供するということだ」と述べている。

最新の透明有機ELは「ガラスのように透明で鮮明」

LG Displayは、画面が透けて見える透明有機ELディスプレイの最新モデルも発表。40%の透明度を実現しており、透明度10%の透明液晶ディスプレイよりも「ガラスのように透明でありながら鮮明な画質」を追求。主にスマートホームやスマートビルディングのほか、自動運転車、航空機、地下鉄といった交通機関への導入を見込んでいる。

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    LG Displayが開発した透明有機ELの最新モデルは「ガラスのように透明でありながら鮮明な画質」を実現

同社は製品への応用例として、ベッドの足下の可動フレームに透明有機ELディスプレイを備え、さまざまな情報やテレビを映す「スマートベッド」を提案。上記のCSOテクノロジーを採用して画面から音が出る設計で、外部スピーカーが必要ないとする。さらにこのディスプレイは、家のさまざまな場所に簡単に持ち運ぶこともできるという。

ほかにも、レストランに備え付けられた透明ディスプレイで寿司を注文し、オーダーを待つ間に映画やテレビを楽しんだり、調理の様子を画面越しに見たりするといった活用方法を提案。地下鉄車両の窓に透明ディスプレイを備え、路線図や気象、ニュースなどの情報を確認するといった活用方法も提案している。

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    透明有機ELの地下鉄車両への応用イメージ